「コトバのない冬」('08) | Marc のぷーたろー日記

「コトバのない冬」('08)

コトバのない冬 [DVD]/渡部篤郎,高岡早紀
¥4,935
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俳優・渡部篤郎さんの初監督作品です。主演は渡部篤郎さん、高岡早紀さん、共演は渡辺えりさん、北見敏之さん、鈴木一真さん、広田レオナさん他。


キョーレツにツマンネ。


2, 30年前によくあった最悪にツマラナイ日本映画を今の時代に見せられた感じ。


意味のあるセリフを必要最小限以下 (つまり足りないレベル) に抑え、さほど意味のない日常会話を中心にしたアドリブっぽい芝居や、ナレーションや字幕といった説明的なものを完全に排除した映像、ドキュメンタリーのようなカメラワークなど、「意図」は分かります。

また、会話のシーンで敢えてカット割りをせずに一方の人物のクローズアップだけで長回しにする演出は、確かにあまり他で観たことがないので新鮮と言えば新鮮。

が、この映画の中で頻出する、セリフが全くなく、動きも殆どないような長回しは、美しい景色の映像ならともかく、役者のクローズアップでそれをやられると、観ている方に「寝るな」という方が無理。

また、そういった表面的なテクニック以前に、話が致命的につまんない。「で?」としか言いようがない、どーしょーもないエンディングには開いた口がふさがりませんでした。これが「悲恋」だとでも言いたいんでしょうか?


とにかく、どこをとっても監督の趣味だけで作られていて観る側のことをこれっぽっちも考えていない独りよがりの作品。こんなものを一般に公開してはいけません。

また、渡辺えりさん扮する食堂のおばちゃんの強烈なウザさが作品自体の不快感を一段と増しており、ここまで「苦痛」以外の何ものでもない映画は今の時代になかなかないのではないかと思います。