「午後の遺言状」('95) | Marc のぷーたろー日記

「午後の遺言状」('95)

午後の遺言状 [DVD]/杉村春子,乙羽信子,朝霧鏡子
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ベテラン女優とその別荘を管理している女、2人の老女の姿を描いた新藤兼人監督作品です。主演は杉村春子さん、乙羽信子さん、共演は朝霧鏡子さん、観世栄夫さん他。杉村春子さんの最後の映画主演作であり、新藤監督夫人である乙羽信子さんの遺作でもあります。

Wikipedia「午後の遺言状」


当時既に90歳近かった杉村春子さんのかくしゃくぶりに驚きましたし、高齢者の、高齢者による高齢者のための映画としては、いろいろと感じ入るものがあります。新藤監督の思いのようなものも感じられますし。

が、映画としては微妙な違和感があって最後まで馴染めませんでした。

例えば、妙に説明調なセリフの連続、しかも「いかにもセリフを読んでます」という不自然さなセリフ回し。また、終盤で登場するジャーナリスト (倍賞美津子さん) の一貫して不自然なキャラクターと不自然な言動、セリフの意図的な棒読み具合。いずれも気持ち悪いのです。


とにかく、安い舞台の芝居を観ているような「作り物感」がいっぱい。個々のエピソードには説得力があるんですが、全体としてはとても「嘘っぽい」んです。

一応、コメディと言えばコメディなので、その「作り物感」「嘘っぽさ」も狙いなんでしょうが、僕には受け入れ難い気持ち悪さでした。