「ロストクライム-閃光-」('10) | Marc のぷーたろー日記

「ロストクライム-閃光-」('10)

ロストクライム-閃光-特別版 [DVD]/出演者不明
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「三億円事件」を独自の解釈で描いた永瀬隼介さんの小説「閃光」を映画化したクライムサスペンス映画です。主演は渡辺大さん、共演は奥田瑛二さん、川村ゆきえさん、武田真治さん、かたせ梨乃さん、宅麻伸さん他。

Wikipedia「ロストクライム -閃光-」


確かに「新解釈」ではありますが、取り立てて「新しい」というほど新鮮味もなければ驚くほどの内容ではなく、「三億円事件」を扱ったこれまでの映画やドラマとさほど違いを感じませんでした。

文字で読む分には実録っぽくて面白いと思うんですが、映画という娯楽性の高い媒体で表現するにはあまりに凡庸。せっかく映像化するんなら、もっと突飛な設定の方が面白いと思うんですよね。例えば、自殺したとされる実行犯は生きていて別人に成り済まして生きていたとか (^o^)

ま、これは冗談ですが (^^;;;


それに、若手刑事を主人公にしている不自然さが非常に気になりました。

例えばその不自然さが顕著なのは、終盤で事件の真相を関係者に告げるシーン。あたかも自分が調べて知ったような口ぶりで話していますが、それは本来その場にいる老刑事 (奥田瑛二さん)が語るべきセリフ。無理矢理「主人公らしく」させているだけで不自然だし、「オレがオレが」の不快感ばかりが観ている側に残ります。

更にストーリー全体としても、若手刑事がここまで事件に入れ込むのに説得力がなく、ここまで不自然な形で、この若手刑事を主人公にしているのは、単に興行的な理由で若手イケメン俳優を主演にしているだけとしか思えませんでした。もちろん主演の渡辺大さんにそこまでの興行力があるとも思えませんが(^^;;;

どう考えても、この物語は「三億円事件」を30年以上も引きずっている老刑事の目線で描かれる方が自然でしょう。


クライマックスの「2時間サスペンス」的な浪花節全開の刑事と真犯人のやり取りも安っぽいし、かたせ梨乃さんと宅麻伸さんという演技力の全くない中年俳優の大根演技が一段とチープな「2時間サスペンス」臭を強めていたのも、この映画にハマれなくした理由でした。これらがなければ、もうちょっとマシだったでしょう。

強いて良かった点を挙げるならば、川村ゆきえさんの演技くらいでしょうか。これまで特に印象に残るような演技を観たことがなかったのですが、これは良かったグッド!