「浮雲」('55) | Marc のぷーたろー日記

「浮雲」('55)

浮雲 [DVD]/高峰秀子,森雅之,中北千枝子
¥4,725
Amazon.co.jp

林芙美子の同名不倫小説を名脚本家・水木洋子さんの脚色と成瀬巳喜男監督により映画化した作品です。主演は高峰秀子さん、森雅之さん、共演は中北千枝子さん、岡田茉莉子さん、加東大介さん他。

Wikipedia「浮雲 (映画)」


今の時代に観ると、主人公の男女がただの愚かな人にしか見えず、共感も出来ませんし、嫌悪しか感じませんでした。

傲慢な上に、女にだらしないだけで人間としての魅力が皆無な男は吐き気がするほど気色悪いし、そんな男にどんなに裏切られてもすがり続ける女もバカ過ぎ。

成瀬巳喜男監督によれば、この2人の結びつきは「身体の相性」ということらしく、確かに、主人公2人が徹底して魅力のない愚か者に描かれることで、「繋がりを維持しているのは sex だけ」というのが分かるようになっていますが、それにしてもここまでずるずると不毛な関係を続ける2人は、ただの「性欲に勝てない淫獣」でしかなく、共感など出来ようがありません。


男尊女卑が当たり前で女性の自立が難しかった時代の男女関係を知るための「骨董的価値」しか感じられず、今の時代に観ても面白くも何ともない、ただイライラするだけの非常に不快な映画でした。