「GANTZ PERFECT ANSWER」('11) | Marc のぷーたろー日記

「GANTZ PERFECT ANSWER」('11)

奥浩哉さんの同名人気SF漫画を実写映画化した 2部作の後編です。主演は二宮和也さん、松山ケンイチさん、共演は吉高由里子さん、本郷奏多さん、夏菜さん、田口トモロヲさん、山田孝之さん他。

映画「GANTZ」感想
映画「GANTZ」公式サイト
Wikipedia「GANTZ (映画)」


そもそも題材にしろストーリーにしろ、僕には「悪趣味」としか思えないので、原作を読むことはまずないでしょうし、いつもならこの映画も決して観なかったはず。が、二宮和也くん、松山ケンイチくん、山田孝之くんの3人を同じ作品で観られる「お得感」という、その1点だけで前作ともども観てしまいました。


どこが「PERFECT ANSWER」?


そもそも内容には全く期待していませんでしたが、それにしてもヒドいです。前作も突っ込みどころ満載でしたが、それでもストーリー全体の流れはそれなりにまとまっていたのに、今作は根本的に破綻しています。

何も解決していないどころか、疑問を増やしただけで、もしかして続編かスピンオフでも作る気? と訊きたくなる中途半端な終わり方。

また、あれだけ人間を虫けらのように殺すストーリーにしておきながら、「戦いをやめよう」「幸せに暮らしましょう」なんてキレイごとで終わらせようと考えた作り手のお気楽さと無神経さには「はぁ???」としか言いようがありません。こんなのは、ただの「頭の中がお花畑な人の現実逃避ファンタジー」でしかなく、SFなどと名乗ってはいけません。

それに、少なくとも星人がまだわずかながらも生きているのなら、いくら主人公が戦いを拒絶しても、何も変わらないはず。また、大量の一般人を巻き込んでおきながら「何もなかった」ことに出来ちゃってる展開は、今どき小学生でもそんな幼稚な話は書かないでしょう。そもそも全員の記憶を消しているわけではないのも矛盾しているし。

これの一体どこが「PERFECT ANSWER」なのか、このタイトルを付けたセンスが分かりません。


映像も、前作の方が派手なCGがふんだんに使われていて迫力がありましたし、ストーリーにしろ、映像にしろ、どちらも今作は前作より数段劣っています。強いて今作のいいところを挙げるならば、1人2役の松山ケンイチくんの殺陣がなかなかカッコ良かったことと綾野剛さんの不気味さくらいでしょうか…。あっ、音楽は僕好みでしたグッド!


そんなわけでいろいろ不満だらけの今作で、特に僕がダメ出ししたいのは、映画オリジナルのキャラクターである重田 (山田孝之くん) が「取って付けた」だけのキャラクターでほとんど存在意義がないこと。重田という第三者目線を加えることでストーリーを分かり易くしようという意図があるんでしょうが、「ストーリーテラー」にしてはストーリーの本筋への関わり方が薄過ぎます。ただの傍観者にしても、実際には傍観すら出来てないわけですから。

ここからは単なる想像ですが、急に山田くんの出演が決まって、本来はもっと出番の少ないただの脇キャラだったのを急ごしらえで出番を増やしたために、こういう中途半端なことになってしまったんではないでしょうか。もし本当にそうなら、いっそのこと山田くんには「特別出演」か「カメオ出演」でワンシーンの出演くらいにとどめておいてもらった方が作品にとっては良かったんではないかと思います。まぁ、山田くんのファンとしては予想よりも遥かに出番が多かったのは喜ぶべきところなのかも知れませんが…。


とにかく、二宮和也くん、松山ケンイチくん、山田孝之くんの3人には「もっとまともな映画」で共演&競演して欲しいです。


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