「パレード」('10) | Marc のぷーたろー日記

「パレード」('10)

パレード (初回限定生産) [DVD]/藤原竜也,香里奈,貫地谷しほり
¥3,990
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5人の若者の共同生活を描いた吉田修一さんの同名小説を映画化した作品です。出演は藤原竜也さん、香里奈さん、貫地谷しほりさん、林遣都さん、小出恵介さん他。

Wikipedia「パレード (吉田修一)」
原作「パレード」感想


予想以上に「原作通り」でした。配役は僕が原作を読んだときのイメージとは違っていましたが、ストーリーや作品全体の雰囲気 (空気感) はかなり「そのまま」再現されているように感じました。

でも「映画」として面白いかと言われると「イマイチ」。

このストーリーの最大の特徴である最後の最後で作品世界が一変する展開は、文字で読む、つまり自分のペースで時間経過を制御できる媒体では「アリ」ですが、映像で観る、つまり物語内の時間が勝手に流れて行く媒体では、そこに至るまでがただ「ダラダラしている」だけにしか見えないのです。

例えば、原作とは雰囲気が違ってしまいますが、ラストの急展開まではもっと軽いタッチで「爽やかな青春群像劇」風に描いた方がラストとのギャップにインパクトがあったと思うんです。この映画は、そういった映像としての工夫がなく、ただ原作をなぞっただけのように感じました。

藤原竜也くんの演技が他の出演者から浮いていること、それ自体も伏線と取れるのは面白いと思いましたが、既に原作を読んでいて展開を知っている者にとっては、特にこの映画から新たに得られるものはなく、ただ「原作と同じだなぁ…」と確認するだけで終わってしまいました。


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