「食堂かたつむり」('10) | Marc のぷーたろー日記

「食堂かたつむり」('10)

食堂かたつむり スタンダード・エディション [DVD]/柴咲コウ,余貴美子,ブラザートム
¥3,990
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恋人に全てを持ち逃げされたショックで声を失った女性が、故郷に帰って開いた食堂を舞台に繰り広げられる人間模様を描いた小川糸さんの同名小説を映画化した作品です。主演は柴咲コウさん、共演は余貴美子さん、ブラザートムさん、田中哲司さん、志田未来さん、満島ひかりさん、江波杏子さん、三浦友和さん他。

Wikipedia「食堂かたつむり」



可愛らしい絵本のような映像と「いい話」で楽しめたと言えば楽しめたんですが、僕の好みで言えば、この映画の「その後」の方を映画として見せて欲しかったです。もちろん原作があるので仕方ないのですが…。

この題材なら、「食堂かたつむり」の経営者兼料理人の話ではなく、そこにやってくる様々なお客さんたちの姿を描いた群像劇やオムニバスにしたほうが、ずっと面白いような気がするんです。食堂を経営する無口な女性料理人の過去 (出生や亡き母親との関係など) はさらっと会話で挿入される程度に抑えて。

要は、映像のファンタジックさをはじめ、どう考えてもペイしない食堂経営など、現実離れした「おとぎ話」なので、それならば徹底してファンタジーとして描いた方が良いと思うのです。この映画では、主人公の出生や奔放な母親のちょっと生々しい話との間にギャップと違和感があって、微妙に馴染めなかったのです。

また、そのファンタジーな世界観に照らし合わせると、主人公も柴咲コウさんのようなシャープなイメージの女優さんよりも、蒼井優さんのようなちょっと地味目のふんわり系の女優さんの方が説得力があるような気がして、そこも最後まで気になったポイントでした。

それでも、三浦友和さんのちょっととぼけた感じの癒し系オジさんキャラが印象的でしたし、観終わって無性に料理がしたくなる映画でした (^^)