「白と黒」('63) | Marc のぷーたろー日記

「白と黒」('63)

若き弁護士の犯した犯罪をベテラン検事が暴く犯罪サスペンス映画です。主演は小林桂樹さん、仲代達矢さん、共演は淡島千景さん、千田是也さん、井川比佐志さん他。作家の大宅壮一さんと松本清張さんがテレビ番組の出演者としてワンシーンだけ出演しています。



僕の嫌いな脚本家・橋本忍さんの作品ではありますが、一連の黒澤作品など、政治的メッセージをあまり前面に出さない娯楽作品を書かせれば、非常に面白い本を書く人なので、ちょっと期待して観てみました。



なかなか見応えがありました (^^)v


この映画も、当時の司法のいい加減さを描くことで、冤罪の問題や死刑制度問題を扱っており、政治的なメッセージが込められていることは確かですが、それでも基本的には娯楽サスペンス。

今となっては、描き込みがちょっと甘いと思える部分もありますが、この映画が公開された当時を考えれば、真正面から司法の杜撰さ、いい加減さを描きつつ、プロパガンダ映画ではなく、ちゃんと娯楽映画として仕上げているのはさすがです。

また、終盤 30分でのドンデン返しも、僕の好みで言えばもっと違った内容の方が面白かったんですが、この作品に関してはそういうドンデン返しがあるとは思っていなかったので、ちょっとビックリ。もちろん最近のサスペンス映画にありがちな「ドンデン返しに継ぐドンデン返し」を見慣れた目にはちょっと物足りないオチではありますが (^^;;;


DVD はおろか、VHS ソフトにもなっていないため、今ではなかなか観ることができない貴重な作品。機会があれば一度は観ておいて損はないと思います。