「塀の中の中学校」('10) | Marc のぷーたろー日記

「塀の中の中学校」('10)

日本で唯一の刑務所内にある公立中学校「松本市立旭町中学校桐分校」を舞台にしたドラマです。脚本は内館牧子さん、主演はオダギリジョーさん、共演は大滝秀治さん、渡辺謙さん、すまけいさん、千原せいじさん、染谷将太さん、角野卓造さん他。

TBS「塀の中の中学校」


題材はいいし、渡辺謙さんや染谷将太くんをはじめ、出演者の演技には胸を打たれるものが多々ありました。が、内館牧子さんの脚本には疑問に思うところが多く、とても残念でした。

もともとは TBS のドキュメンタリー番組が元になっているドラマ。そのドキュメンタリー番組は観ていて、とても観応えがありました。

ところが、このドラマはあまりに作為的な「余計な脚色」が多すぎるのです。この題材なら、素直に生徒たちの姿を描くだけでいいんです。それだけで充分に観応えのあるドラマになるんです。

それなのに、いつまでも「自分探し」などしているような未熟な若い教師を主人公にし、その成長物語を絡めるといった、ありきたりな「普通の学園ドラマ」のような設定を入れたり、必要以上にドラマティックにするために「不良学生」や「いじめ」を入れたり、ドキュメンタリーを観ていた者としては、「内館牧子は取材の現場で一体何を見てきたんだ?」と怒りすら感じました。

確かに主人公に関しては、「桐分校」の存在そのものに疑問を感じる視点を入れたかったのであろう作り手側の意図は分かります。しかし、そのような視点は分校の外に置くべきだと思うのです。


とにかく、余計な脚色がウザく、せっかくの題材を台無しにしていて本当に残念でした。