TBS終戦ドラマスペシャル「歸國」('10) | Marc のぷーたろー日記

TBS終戦ドラマスペシャル「歸國」('10)

倉本聰さんの脚本による終戦ドラマスペシャルです。出演はビートたけしさん、長渕剛さん、小栗旬さん、堀北真希さん、向井理さん他。倉本聰さん作・演出の舞台版も上演されています。

TBS「歸國」公式サイト
赤坂ACTシアター『歸國』
Wikipedia「歸國」




う~ん…。


訴えたいことはとてもよく分かりますし、その訴えたい内容についても共感できるので、異論は全くありません。極端に左寄りの TBS にしては、「まっとうな」テーマのドラマを作ったなぁとは思います。

でも、訴えたいことが強すぎるあまりに、ドラマとしては空回りしていて完全に破綻。「電波系」な人が書いたストーリーにしか見えません。特に終盤のトンデモな展開には開いた口がふさがりませんでした。あの状況で甥を「殺しちゃう」のもやり過ぎだし、しかも息子を殺された母親が「ありがとう」なんて言うわけないでしょー (^^;;;

あまりに男、というか「おっさん」にとって都合が良過ぎます。これでは、せっかくの「訴えたいこと」も説得力を失ってしまいます。言葉は悪いですが、新橋で酔っぱらったおっちゃんが「イマドキの若いモンは…」とクダ巻いてるのと変わらないように見えてしまうのです。


そもそも、こういうファンタジー要素のあるストーリーは舞台劇や映画なら許容可能ですが、テレビドラマでは無理があります。また倉本聰さんの書きたいように書かせたんでしょうが、いくら「大物脚本家」でも、プロデューサーや演出家は、最低限の「ダメ出し」くらいはすべきでしょう。

まさに「老害」という言葉そのもののドラマでした。