「ゲルマニウムの夜」('05) | Marc のぷーたろー日記

「ゲルマニウムの夜」('05)

ゲルマニウムの夜 デラックス版 [DVD]/新井浩文,広田レオナ,早良めぐみ
¥4,935
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花村萬月さんの芥川賞受賞作を映画化した作品です。主演は新井浩文さん、共演は広田レオナさん、石橋蓮司さん、佐藤慶さん他。監督は大森立嗣さん。監督の弟である大森南朋さん、父親である麿赤兒さんも少しだけですが出演しています。

Wikipedia「ゲルマニウムの夜」


ストーリーらしいストーリーのない、エロ・グロ・バイオレンスの連続で、「偽善」をあぶりだすという内容。

この「露悪趣味」的世界観は相当に好みが分かれると思います。というよりも、一般的には嫌悪感しか抱かれないでしょう (^^;;;

それに、この内容であれば、日本よりもキリスト教文化圏の人が観た方がいろいろと感じるところがあるように思います。ヨーロッパの映画祭で上映されたのも当然と言えば当然。


でも僕にとっては、想像していたよりも表現が穏やかだったので、さほど苦痛は感じませんでしたし、「アンチ・キリスト教」的世界観が好きなのと、何と言っても、主演の新井浩文さんの強烈な存在感で、最後まで惹き付けられました。


主人公の設定は、恐らく「淫靡な美青年」で、それゆえに老若男女問わず、周りの人間に性的に愛されてしまうということなんでしょうが、その点で言えば、新井さんではビジュアルイメージがだいぶ違います。お世辞にも「美青年」ではありませんから。ところが、何故か観ていると全く気にならず、新井さんのあの印象的な目だけで、全てがOKに思えてくるのです。

以前から新井さんの独特の存在感を気に入っていたのですが、これは最高のハマり役でしょうし、彼の個性や魅力が最大限に活かされています。


他人に勧めようとはこれっぽっちも思いませんが、僕は結構好きな映画です (^^)