「真夏のオリオン」('09) | Marc のぷーたろー日記

「真夏のオリオン」('09)

真夏のオリオン [DVD]/玉木宏,北川景子,堂珍嘉邦
¥6,090
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第二次世界大戦終結間近を舞台に、若き潜水艦艦長の姿を描いた戦争映画です。主演は玉木宏さん、共演は北川景子さん、堂珍嘉邦さん他。

Wikipedia「真夏のオリオン」




なんでしょ、これ? (^^;;;


どういうつもりでこんな映画を作っちゃったんでしょう…。

この「どこを取ってもリアリティ皆無」な世界は、この映画が第二次世界大戦を舞台にしたのではない、それこそ「ガンダム」のような架空の世界の架空の戦争を描いているのなら、納得もできなくはありません。

それでも、ストーリーの冒頭で、主人公を含めた潜水艦の乗組員のほとんどが生き残るという、壮絶な「ネタバレ」が行なわれてしまったのは致命的。その後、どんな戦闘シーンがあっても、「どうせ無事に生き残るんでしょ?」と冷めた見方しかできません。

そのせいもあって、以降のシーンに全く緊迫感がないのはもはや救いようがないレベル。演出も凡庸で、潜水艦映画に必須の「息詰まる閉塞感」「ギリギリの緊張感」が全く表現されておらず、ただのんびりとだらだらと時間が流れるだけ。戦闘シーンがあるのに、これだけ「平和」な潜水艦映画は初めて観ました (^^;;;


これらの致命的なダメポイントに目をつむったとしても、そもそも、これだけ今風のルックスの俳優ばかりで戦争映画を作っても絵空事にしか見えません。メインキャストで当時の人物に見えたのは最年少の少年兵・鈴木を演じた太賀くんくらい。

架空の世界の架空の戦争を今風のイケメン俳優で撮っただけのアニメのような世界でしかありませんでした。

唯一、褒められる点があるとするならば、安っぽいヒューマニズムで反戦を声高に訴える「バカ左翼」映画でなかったところくらいでしょうか。