「Mother」('10) | Marc のぷーたろー日記

「Mother」('10)

実母に虐待を受けていた少女に「母性」を覚えた担任女性教師が衝動的に少女をさらってしまったことから起こる社会派のサスペンスドラマです。主演は松雪泰子さん、共演は山本耕史さん、酒井若菜さん、倉科カナさん、尾野真千子さん、高畑淳子さん、田中裕子さん他。


NTV「Mother」公式サイト
Wikipedia「Mother (テレビドラマ)」



いろいろと「考えさせられた」というよりは、いろいろな感情を抱かせてくれるドラマでした。

しかし残念ながら、作り手側の意図は分かるものの、この物語の根幹である「誘拐」という部分にどうしても釈然としないものがあり、最後まで違和感を拭えませんでした。

「他人と常に距離を置いて生きている30代女性が虐待を受けている少女に母性を抱いて誘拐してしまう」という基本設定を大前提とした上で主人公の人物像やキャラクターの背景を設定しているのがありありと見えてしまって、その設定のあざとさにリアリティを感じなかったのです。例えば、養母との関係や実母の病気とか、その設定の意味も意図もよく分かるんですが、逆に分かり過ぎて冷めてしまったのです。

それでも出演者は概ね良かったです。松雪泰子さんはもちろん田中裕子さんの幸薄い雰囲気は説得力抜群。特に虐待する母を演じた尾野真千子さんは見事で、特に彼女を主人公に、子煩悩な若い母親が虐待を行なうに至るまでをつぶさに描いた回はかなり見応えがありました。

ただ、誘拐される少女を演じた芦田愛菜ちゃんの演技がどうしても生理的に受け付けなかったのが残念。2004年6月23日生まれでドラマの撮影中はまだ5歳だったことを考えれば、確かにあの演技は驚異的なんですが、あの「ぶりっ子」なセリフ回しが気持ち悪くて仕方なかったのです。ただ薄幸で儚い雰囲気は役に合っていましたし、子役としてこれから引っ張りダコになるんじゃないかとは思います。大ヒット公開中の映画「告白」('10) も雰囲気がピッタリ合ってましたし。


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