「父親たちの星条旗」('06) / 「硫黄島からの手紙」('06) | Marc のぷーたろー日記

「父親たちの星条旗」('06) / 「硫黄島からの手紙」('06)

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クリント・イーストウッド監督が、太平洋戦争における「硫黄島の戦い」を日米それぞれの視点から描いた2部作です。

Wikipedia「父親たちの星条旗」
Wikipedia「硫黄島からの手紙」



このような映画をアメリカが作ったという点に注目すべきと感じました。

両作品から共通して見えてくるのは、アメリカ的「戦争観」や「正義」の否定。反米とまではいきませんが、アメリカ的価値観への「疑問」を明確に提示しています。

「父親たちの星条旗」では、「英雄は作られるものである」という、今となっては手垢のついた題材ですが、奇をてらうことなく真正面から描いています。

「硫黄島からの手紙」では、あくまで日本人の視点で「硫黄島の戦い」を描くことで、日本側にも「正義」があったこと、また視点が変わればアメリカが「悪」であるという戦争では「当たり前のこと」を当たり前のこととして描いています。

また両作品とも、戦闘シーンで敵側を露に見せないことで、戦っている相手が日本やアメリカという明確な存在ではなく、漠然とした「戦争というもの」であるように感じさせる見せ方は「なるほど」と思いました。


両作品とも印象的な作品なのですが、やはり日本人としては「硫黄島からの手紙」の方に注目したくなります。

とにかくアメリカ人が作ったとは思えないくらい「日本映画」でした。狂言回しの役割でもある西郷 (二宮和也くん) のキャラクターは、当時の日本人としては少々異質で、アメリカ人でも共感しやすいようなキャラクターになっているように感じましたが、ストーリーに関しては特に違和感を感じることもなく、日本人が作った戦争映画としか思えませんでした。

ただ、全体を通して日本語のセリフが少々聴き取りにくかったのが残念。日本語が聴き取れるスタッフが作業をしていれば、もうちょっと聴き取りやすく音響調整をしたはず。ここだけは日本人が作ったのではないことを強く感じさせた点でした。


さて両作品とも深刻な映画ですが、1点だけ「面白かった」ところがあります。

「父親たちの星条旗」のエンドクレジットで、映画の登場人物のモデルとなった本人の写真が登場するのですが、「色男」と言われていたレイニー・ギャグノンが、演じたジェシー・ブラッドフォードよりも遥かに美形だったのにはちょっと驚き (@o@)

ジェシー・ブラッドフォードも「20世紀の男前」顔ですが、敢えて「色男」と形容するほどのルックスではないので、「色男」役の設定に違和感を感じていたのです。でもギャグノン本人は当時の映画スター並みの超美形でようやく納得。これなら確かに「色男」ですね (^^)