「純喫茶磯辺」('08) | Marc のぷーたろー日記

「純喫茶磯辺」('08)

純喫茶磯辺 [DVD]
¥3,306
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宮迫博之さん、仲里依紗さん主演の人情喜劇(?)です。共演は麻生久美子さん、濱田マリさん他。

Wikipedia「純喫茶磯辺」


不思議な映画でした。

面白いわけではないですし、積極的に他人に勧めようとも思わないんですが、何故か心に引っかかる映画でした。

起伏のほとんどないストーリーに、音楽をほとんど使わない淡々とした演出。ドキュメンタリーのようなカメラワークと映像で、途中で退屈してしまうこと、しばしば。

それでも、宮迫さん扮するダメ父と里依紗ちゃん演じるしっかり者の娘の関係があまりにリアル。特別じゃない、本当にごく普通に、どこにでもありえる「ダメ父としっかり者の娘」のリアルな物語として、じわっと沁みてくるんです。

宮迫さんの愛すべきダメ父ぶりも見事でしたが、何と言っても注目は仲里依紗ちゃん。

これまで彼女を可愛いと思ったことはなかったんですが、この映画では本当に可愛い。可愛いだけじゃなくて、等身大のごく普通のイマドキの女子高生の姿を演技とは思えない自然さで表現しています。特に宮迫さんとのかけあいでの間やセリフ回しは自然過ぎて演技であることを忘れてしまうくらい。

他にも、麻生久美子さん扮する素子の、可愛さと腹黒さ、そして賢さと愚かさを併せ持ったキャラクター造形も非常に説得力がありましたし、濱田マリさんのくたびれた母親っぷりも生々しくてグッド!


とにかく、ストーリーの流れを追って、そこから何かテーマを見いだすというタイプの映画ではなく、どこにでもいるような「イマドキの父と娘」の物語として、2人の生活を温かく見守るくらいの気持ちで観る映画なんだと思います。