「ラストゲーム 最後の早慶戦」('08) | Marc のぷーたろー日記

「ラストゲーム 最後の早慶戦」('08)

ラストゲーム 最後の早慶戦 コレクターズ版(2枚組/完全生産限定) [DVD]
¥4,741
Amazon.co.jp

太平洋戦争中に行なわれた「出陣学徒壮行早慶戦 (最後の早慶戦)」を題材にした映画です。主演は渡辺大さん、共演は柄本佑さん、柄本明さん、石坂浩二さん、藤田まことさん他。

Wikipedia「ラストゲーム 最後の早慶戦」


「いい話」だと思います。

でもどうしてこういう脚本にしちゃったのかなぁという疑問を強く感じる映画でした。

最後の早慶戦を実現するために尽力した人々の群像劇に仕上げたかったのだと思いますが、肝心の主人公をはじめとする大学生たちにほとんど見せ場がなく、ストーリー上は野球部顧問の飛田先生 (柄本明さん) が主人公にしか見えないんです。

そのために、最後の試合、最後の野球にかける若者たちの青春と悲劇が薄まってしまい、感動的な内容のはずが、今ひとつ胸に響かない…。青春映画の定番ではありますが、最後の試合のシーンには「カタルシス」があってしかるべきなのに…。

とにかく、せっかくの題材を活かし切れていない脚本にガッカリせざるを得ませんでした。

またストーリー展開にも疑問点があります。慶応の塾長は、強い思い入れがあってわざわざ本人自ら早大野球部の顧問に会いに行ってまで早慶戦開催を依頼したのに、何故早稲田の総長には会いに行かなかったのでしょうか? 総長の強い反対でぐだぐだするのなら、塾長が出て行って交渉してもおかしくないはず。何故そこまで早稲田側に全面的に任せっきりだったのかが謎。最後の早慶戦実現の最大の難関を無理矢理早稲田側に用意したようなストーリーには不自然さしか感じませんでした。実話をもとにしているのであれば、このあたりはそれなりに理由があったのだと思いますが、映画からは全く伝わって来ませんでした。この不自然さも感動を薄めてしまった理由かも知れません。


しかし、これだけ文句を言っていますが、それでも試合後に互いの校歌や応援歌を歌い合うシーンでは思わず涙が… (ToT)

このシーンが非常に良かっただけにもっと若者たちの姿をじっくりと丁寧に描いて欲しかったんです。本当に残念。


さてこの映画で僕は「おっ!」と思ったのは 2点。

まず 1点目は、慶応では「早慶戦」を「慶早戦」と呼ぶという伝統がちゃんと描写されていたところ。慶応関係者も外部の人と話す場合には一般的に通用する「早慶戦」という表現を使いますが、慶応関係者内では「慶早戦」という表現しか使いません。このあたりの外向けと内向けの表現の違いがセリフでしっかり再現されていて、それはちょっと感動しました (^^)v

そして 2点目は主演の渡辺大さん。

残念ながら主演の割にこれといった見せ場がなく、演技自体にも特に印象に残るものはなかったのですが、とにかく実父である渡辺謙さんとのそっくりぶりにビックリ (@o@)

これまでも渡辺大さんの出演作品は見ていましたが、渡辺謙さんと似てることをさほど意識することはなかったんです。「あぁ、確かに似てるなぁ」くらいで。

ところがこの映画では、顔立ちや声、表情などが渡辺謙さん本人と見まごうほどにそっくりで、そのあまりの相似ぶりに笑ってしまうくらい (^^;;;

もちろん渡辺謙さんの 20代当時と比べると、息子さんの方が今風に洗練されているし、迫力は全然足りないんですが、それでも驚くほどに似ています。このそっくりぶりを観るだけでもそれなりに価値はあるかもしれません (^^;;;