「駅路」('09) | Marc のぷーたろー日記

「駅路」('09)

松本清張生誕100年記念ドラマです。脚本は向田邦子さん、主演は役所広司さん、共演は深津絵里さん、木村多江さん、高岡蒼甫さん、石坂浩二さん、十朱幸代さん他。

フジテレビ「駅路」

40年以上前に書かれた原作をもとに、30年ほど前に向田邦子さんによって書かれた脚本を、更に時代設定を昭和63年に変更して、脚色した作品です。


一昔前なら TBS で作りそうなドラマなのに、今はフジテレビで作るんだなぁというのが、最初の感想。

確かに、今の TBS では作れないよなぁ…。


作品自体はとても丁寧に作られていると思います。事件自体が非常に平凡で単純な分、登場人物の内面をしっとりと描いた脚本は本当に素晴らしいです。ゴーギャンの絡め方も僕好み。ただ、舞台を昭和最後の年に設定した意図は分かりますが、この内容なら舞台設定は原作が書かれた '60年代でないと、ちょっと不自然な感じはします。


とは言うものの、深津絵里さんと木村多江さんの薄幸な雰囲気、十朱幸代さんの硬質な雰囲気が作品世界に説得力を与えていて、それは見事。やはり「松本清張」「向田邦子」の名前があれば、これだけの役者さんが揃えられるんですね (^^)
全体に配役は良かったんですが、高岡蒼甫くんはちょっと役に対して若すぎたかな…。
サスペンスとしては特に面白いわけではないんですが、定年を迎えた男の人生の岐路 (=駅路) を丁寧に描いた人間ドラマとして、ある程度の年齢以上の人であれば、かなり感じ入るところがあるのではないかと思います。