「影武者」('80)
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カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した黒澤映画です。主演は仲代達矢さん、共演は山崎努さん、萩原健一さん、根津甚八さん、大滝秀治さん、隆大介さん他。
→ Wikipedia「影武者 (映画)」
確かに大作。
黒澤監督らしい独特の色使いや画面作りなど、芸術性の高さは認めますし、それなりにヒットしたのも納得。
でもピンと来なかったなぁ… (^^;;;
黒澤映画の時代劇は、「隠し砦の三悪人」('58) とか「椿三十郎」('62) のような娯楽に徹した作品は面白いんですけど、シェイクスピアを翻案した「蜘蛛巣城」('57) や「乱」('85) のように、ヨーロッパ人向け (のよう) に作られた作品はどうも僕にはピンと来ないんです。
そして、この作品もそう。
「蜘蛛巣城」('57) や「乱」('85) よりはマシだったんですけど、観終わった後に「だから?」としか言いようがないんです。ヨーロッパ人にはウケそうな世界観ですし、だからカンヌで賞を取れたんだと思いますけど、改めて僕はカンヌと価値観が合わないことを確認したような気がします。
役者陣では、何をさておいても、武田信廉を演じた山崎努さんにとにかく驚かされました。兄・信玄 (仲代達矢さん) の影武者も務めていたという設定ですので、仲代さんに似てないといけないのですが、メイクのせいもあって、山崎努さんに全く見えない!!
観ている間も山崎さんであることを完全に忘れていました。「この人、仲代さんに似てるけど誰だろう?」って (^^;;;
一方、観ていてひっじょーに残念だったのは、家康を演じた油井昌由樹さんの下手さ。役者が本業ではないですし、監督はそれを分かって起用したんでしょうけど、それにしてもヒドイもんでした。何が良くて家康役に抜擢されたのか、全く理解できませんでした。しかし、そのおかげで同じように大抜擢だった信長役の隆大介さんの下手さが目立たなかったというのはありますが(爆)
いずれにせよ、少なくとも僕はあまり積極的に他人に勧めたいとは思わない映画です。