「アンフェア」('06) | Marc のぷーたろー日記

「アンフェア」('06)

アンフェア DVD-BOX
¥17,229
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映画化もされた篠原涼子さん主演のミステリーサスペンスです。共演は瑛太さん、香川照之さん、寺島進さん、濱田マリさん、阿部サダヲさん他。

僕の大嫌いな脚本家・秦建日子さんが原作を書いたということで、これまで全く観ようと思わなかったのですが、秦さん本人はこのドラマに一切タッチしていないということ、原作を使っているのは序盤の 4話のみで、それ以降はドラマオリジナルということで、今更なのですが観てみました。

Wikipedia「アンフェア」


ヒットしたのには納得できました。確かに面白いです。

「踊る大捜査線」シリーズが好きな人ならハマるんじゃないでしょうか。

ただ「踊る大捜査線」シリーズを面白いと思いつつも、そこに常に違和感や気持ち悪さを感じる僕は、この作品にも同じ違和感と気持ち悪さを感じたのです。

その理由を改めてじっくり考えてみると、両作品に共通している「中二病」的「大人 = 社会は汚い」といった青臭さが鼻につくんだということに気が付いたんです。

Wikipedia「中二病」

確かにドラマに限らず、映画にしろ、小説にしろ、「中二病的青臭さ」はどこにでもあるものですし、それを完全に否定してしまったら、世の中に「フィクション」というものは存在しなくなってしまうでしょう。

ですので僕も「中二病的青臭さ」そのものを否定するつもりはないんです。

ただ、「踊る大捜査線」シリーズも「アンフェア」も、その青臭さが (僕には) キツ過ぎるんです。


また「アンフェア」に関しては、物語の背景にある「人の心の醜さ」の描写が薄っぺらく、観ていて心に響くものがないのも物足りない…。このあたりは「フーダニット (犯人当て)」のミステリーでは致し方ない部分もあるんですが、個々のキャラクター造形に難があって、一貫性がないのも気になります。


そんな違和感と気持ち悪さ、物足りなさを感じつつも、連続ドラマとしては面白くできていたと思います。突っ込みどころ満載ですが、観て損することはないでしょう。一度観りゃ充分ですけど(爆)

また主演の篠原涼子さんをはじめ、寺島進さん、香川照之さん、濱田マリさん、阿部サダヲさんなど、キャスティングが絶妙で、そのアンサンブルを観るだけでも充分に価値があると思います。

特に瑛太さんの配役はサイコーにグッド!

彼の持つ、一見「無味無臭」でいながら、ほんのり偏執的な風味のある個性がこれほど活かされた役はないんじゃないかと思います (^^)