「流星の絆」('08) | Marc のぷーたろー日記

「流星の絆」('08)

東野圭吾さんのベストセラーミステリー小説を宮藤官九郎さんの脚色で連続ドラマ化した作品です。主演は二宮和也さん、錦戸亮さん、戸田恵梨香さん。共演は要潤さん、柄本明さん、三浦友和さん他。

TBS「流星の絆」公式サイト

「ハマる」ということ全くありませんでしたが、僕の好みで言えば、少なくとも原作 よりは面白かったです (^^)

原作 は確かにそれなりに面白かったんですが、東野作品としてはかなりの「凡作」で単なる「良く出来た 2時間サスペンス」程度の作品。

むしろこの平凡なミステリーを全10話の連続ドラマとして、よく「膨らませた」ものだと感心しています (^^)

もちろん脚本の宮藤官九郎さんらしい「おふざけ」にはやりすぎと感じるところはありましたし、僕はあまり好きではありませんでしたが、そこを除けばストーリー自体はかなり原作に忠実でしたし、原作ではほとんど手抜きとしか思えないくらい、あっさりとしていた終盤の展開をきちんと描いた点は (その改変内容そのものの良し悪しは別として) むしろ原作よりも優れていると思います。

人間の内面を直接描くことが苦手な東野さんらしいクールな原作と比較すると、個々のキャラクターの内面描写がそれなりになされているドラマの方が、少なくともこのストーリーに関しては相応しいように感じました。

またキャストも予想ほど違和感を感じることはありませんでした。

強いて言えば、二宮和也くんが実年齢に比べて幼く見えるため、終盤の刑事になりすますシーンが「コント」に見えてしまったのが残念でしたが、そこを除けば、(原作のイメージとは全然違いますが) 悪くありませんでした。最終回の演技にちょっと「?」と感じる部分が何箇所かありましたが、全体としては安定していましたし。

一方、錦戸亮くんも本来持っている暗くて少し不気味な雰囲気が東野作品の世界観に合っていて、こちらはかなりグッド!

もし「白夜行」を原作どおりのイメージで映像化するなら亮司を演じてほしいです (^^)
ドラマ「白夜行」はあれはあれでよくできたドラマでしたけど。
そして戸田恵梨香ちゃん。役に対して見た目が幼い感じでしたが、原作に比べてポップに仕上げている作品世界には合っていたと思いますし、二宮くんと錦戸くんの陰のイメージと対照的な陽の (キラキラした) イメージでドラマ全体を暗くなりすぎなくしていたように思います。

要潤さんと三浦友和さんも原作のイメージとは全然違うのですが、こちらも特に違和感を感じることはなく、ドラマの雰囲気にはマッチしていました。


積極的に他人に勧めたいというほどのドラマではありませんでしたが、原作が凡庸だったことを考えれば、充分に良くできたドラマだと思います (^^)

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