「メゾン・ド・ヒミコ」('05)
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「ジョゼと虎と魚たち」('03) の犬童一心監督、渡辺あやさん脚本による映画で、主演はオダギリジョーさん。共演は柴咲コウさん、田中泯さん、西島秀俊さん他。
「少女漫画」の世界だなぁと思いました。
悪い意味ではなく、キャラクター造形にしろ、画面の雰囲気にしろ、現実感がなくて幻想的な表現を使っているところがそう感じさせたのです。
扱っている題材やストーリーそのものには結構「生々しい悲哀」が含まれていて、それをリアルに表現するとグロテスクになってしまうところを、オダギリジョーさんと田中泯さんの浮世離れした雰囲気で、「美しい映画」として成立させているように思います。
正直なことを言えば、オダギリジョーさんは単独でみると役にも作品の雰囲気にも合っているんですけど、周りのゲイのキャラクターたちと並んでいると、ゲイの男性に愛される「美しい男」というキャラクターとはちょっと違う感じがするんですよね。要は「本物」に見えない。同じことは田中泯さんにも言えましたけど。
もちろん、このキャラクターが「天使」のような位置づけと考えると、この「本物に見えない感じ」も演出上の意図なんだろうなとは思えるんですけどね。とにかく立ち姿 (静止状態) の美しさは見事でしたし。
「いい映画」だと思います。
中学生の少年のエピソードなど、僕にはちょっとピンと来ない部分も多かったんですが、この映画が好きな女性が多いのはとてもよく分かります。
でも僕の場合、ミュージカルっぽいダンスシーンが一番印象的でした。意味不明な感じが