「霧の火〜樺太・真岡郵便局に散った 9人の乙女たち」('08) | Marc のぷーたろー日記

「霧の火〜樺太・真岡郵便局に散った 9人の乙女たち」('08)

日本テレビ開局55周年記念特別ドラマです。主演は市原悦子さん、共演は香里奈さん、福田麻由子さん、白石美帆さん、名取裕子さん他。

日本テレビ「霧の火~樺太・真岡郵便局に散った 9人の乙女たち」

あまりこの手の実話をもとにしたドラマは好きではないのですが、前日の午後に放送された番宣番組をたまたま観て興味を持ったのと、市原悦子さんの少女時代を福田麻由子ちゃんが演じるということで観てみました。



良かったです (^^)


実話をもとにしたドラマはどうしても必要以上に美化するところがあって、そこが気になってシラケてしまうことが多いんですが、このドラマに関しては美化らしい美化がほとんどなく、そのことにむしろ驚きを感じたくらいです。

主人公が決して「素直な良い子」ではないところだけでなく、「その後」の厳しい現実など、キレイごとで済ませないストーリー展開はかなり心に響きました。

もちろん、不満なところもあります。

「聞き手」として狂言回しの役目を果たす愛子 (香里奈さん) は比較的重要な役であるにもかかわらず、いまひとつキャラクターが掴みづらく、いわゆる典型的な「現代っ子」というイメージしかなかったのは残念。もう少し描き込みが欲しかったですし、香里奈さんの演技も悪くはなかったのですが、ちょっと物足りなかったです。役には合っていたと思いますけど。

それに遠藤憲一さん扮する義父も最後の見せ場が全てなのかもしれませんが、全体としてはキャラクターが分かりづらかったですし…。

それでも、何と言っても主人公の処女時代を演じた福田麻由子ちゃんの圧倒的な存在感と説得力のある演技が、そんな不満も吹き飛ばしてくれました (^^)v

もともと古風でいかにも戦時中の少女と言った顔立ちだったことも説得力を生んだ理由ですが、やはり彼女は、ドラマ「白夜行」('06) もそうでしたが、想像を絶する過酷な状態に置かれた役がハマりすぎるくらいにハマります。ホント、どうしてこんな表情ができるんだろうと関心を通り越して、いつもながら驚くばかりです。

なかなかよくできた作品なので、もし見逃された方がいらっしゃったら、再放送の際には是非 (^^)v