「ラスト・フレンズ」('08) | Marc のぷーたろー日記

「ラスト・フレンズ」('08)

長澤まさみちゃんと上野樹里ちゃん主演のドラマが終わりました。

フジテレビ「ラスト・フレンズ」公式サイト

今クールのドラマで唯一「ちゃんと」観たドラマで、ドラマの出来としても (良いとまでは言えませんが) 悪くはなかったと思います。僕にはかなり物足りないものがありましたが、重い題材を扱いながらも暗くなり過ぎない映像と、上野樹里ちゃんをはじめとする実力派の若手俳優の魅力で視聴率が尻上がりに良くなって行ったのも当然かもしれません (^^)

Audience Rating TV~ドラマ視聴率~

それだけに終盤にどうしても納得できない部分が散見されたのが残念です。

最終回の駆け足過ぎる展開も意味不明の交通事故も納得できませんが、それ以上に僕が納得できなかったのは、9話で宗佑 (錦戸亮さん) がタケル (瑛太さん) を暴行したときに、何故誰も警察に訴えようとしなかったのでしょうか?

会話の中で「警察」の「け」の字もでないのはおかしくありませんか?

ただ皆でおびえているだけってどういうことでしょうか?

もしそこでちゃんと警察に訴えて、宗佑が逮捕されていれば、その後の「事件」は起きなかったんじゃないでしょうか?

ドラマチックな展開にするための強引で無理矢理な展開に一気に冷めてしまいました…。


それに宗佑の描き方が最後まで中途半端だったのも残念。

演じる錦戸亮さんはアイドルタレントでありながら、この役をよく引き受けたなぁと感心しますし、宗佑の不気味さの表現はとても良かったと思います。でも宗佑が、自分と似た境遇の少年に向けた優しさといった「もう一つの顔」が全く表現し切れていなかったのは明らかに演技力不足。

むしろこの役は錦戸亮さんではなく、見た目からソフトで優しいイメージの俳優が演じた方が役柄に「厚み」が出たのではないかと思うのです。

もちろん、宗佑に関しては、演者だけの問題ではなく、脚本も演出も描き込みが足りなかったように感じます。単なる「DV を扱った扇情的なドラマ」ならこれでもいいのかもしれませんが、僕はとても不満足です。宗佑という人物をきちんと描くことで、このドラマに深みが生まれたはずなのに、このドラマの製作陣にはそういう意識は全くなかったようです。残念。


それでも上野樹里ちゃんの見事としかいいようがない表現力、瑛太くんの安定感、水川あさみちゃんの存在感、山崎樹範さんの癒しキャラは、いずれも見応えがあって充分に楽しめました (^^)v
長澤まさみちゃんは…。頑張ってはいましたが、女優としての力不足を露呈しただけだったようです。そもそも彼女の魅力が活かされる役ではないし。良かった点を強いて挙げれば、生来の明るい雰囲気でドラマ全体を暗くなり過ぎないようにした功績はありましたけど…。
また前向きな終わり方も後味の良いものでしたし、そして何より、主題歌「Prisoner Of Love」のハマり具合はサイコーでした (^^)

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