「包帯クラブ」('07) | Marc のぷーたろー日記

「包帯クラブ」('07)

包帯クラブ
¥2,780
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天童荒太さんのベストセラー小説を柳楽優弥さんと石原さとみさん主演で映画化した作品です。共演は田中圭さん、貫地谷しほりさん他。

「監督・堤幸彦 & 脚本・森下佳子」と言えば、傑作ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」('04) のコンビ。ちょっと期待して観ました。



観終わって感じたのは、原作を読んでみたいなということ。

映画自体の出来が悪かったわけではないのですが、僕の感覚ではこの作品世界は映像で表現するよりも文字の方が合っているように感じたのです。

映画は、堤幸彦監督らしい映像的な面白さもありますし、森下佳子さんの脚本らしい独特のセリフとナレーションも印象的。

その一方で、登場人物たちの心の傷を「言葉」で説明し過ぎているように感じたのです。原作も同じなのかもしれませんが、文字で読む分にはともかく、セリフで語られてしまうと、ちょっと違和感を感じてしまうのです。

「トラウマ」にもなっている深い傷をそんなに「簡単に」語ってしまうものだろうか、って。2時間程度の映画という媒体の制限もありますが「傷」の描き方が薄く感じられてしまうのです。

それでも出演者の演技に文句はなく、石原さとみちゃんの演技をはじめて「いいじゃん!」と思いましたし、柳楽優弥くんも随分とうまくなったなぁと感心しました。また田中圭くんも独特の繊細な癒し系の雰囲気が活かされた役柄 & 演技で、これまで観て来た田中圭くんの演技では一番良いのではないかと思います (^^)v


若干、シュールなところもあるので、序盤は「これって一体…」と頭の中が「?」でいっぱいになってしまうのですが、最後まで観れば、きっと何かが心に残るはず。そんな映画です。