「彼らの海・VII Wish On The Polestar」('05) | Marc のぷーたろー日記

「彼らの海・VII Wish On The Polestar」('05)

エイベックス・トラックス
彼らの海・VII Wish On The Polestar

木村了くんが初主演した青春ドラマです。共演は長谷部優さん、石橋蓮司さん他。

テレビ熊本と電通の製作で 2005年2月から 3月にかけてフジテレビ系のいくつかのテレビ局で昼間や深夜に放送された単発短編ドラマです。

Wikipedia「彼らの海」

何はともあれ、


泣きました (ToT)


大好きな映画「台風太陽」('05) にも通じる、煌きの中にあるほろ苦い青春の姿に涙腺が (ToT)

特にひねりのないオーソドックスなストーリーなのですが、美しい映像と、控えめでいながら丁寧な演出で、じんわりと心に沁みて来るような作品でした。

とにかく、短編 (67分) で気軽に観られますので、もしレンタル DVD などで観られる機会があったら是非♪


ところで、僕がこのドラマで気になったのが、


木村了くんが美形過ぎる!!


正月に放送された「今日は渋谷で6時」('08) でも感じたのですが、彼の整いすぎた顔は、役者として「足かせ」になっているんじゃないかという気がしてならないのです。

人形のように完璧な彼の顔立ちは、存在自体に現実感がなく、またその「美貌」の前では、よほどの美人女優でない限り、ビジュアル面で霞んでしまうんです。
だから「のだめカンタービレ」('06)のヘンタイ高橋くんとか「花ざかりの君たちへ」('07)の乙女な中央くんみたいな個性的(?)な役や、時代劇など現実離れした世界を舞台にした作品が合うんですけど…。
相手役の長谷部優さんは、演技初挑戦ということで、ぎこちなさは否めませんでしたが、雰囲気は役にとても合っていましたし、好演していたと思います。でも木村了くんとのバランスがイマイチなんです。長谷部優さんは可愛いんですが「美人」「美少女」というタイプではなくて、非常に「現実感」のある女の子ですからね…。

そもそも木村了くん扮する主人公は進路に悩んでいる平凡な高校生という設定。あまり友達もいなくて、いつも 1人でいるような少年が、海辺で偶然出会った「イカした」少女 (長谷部優さん) に一目惚れするところから物語が始まるのですが、「超」がつく美少年で、ナルシストっぽく見える木村了くんが、そんな「イカした」(でもルックス自体は普通の) 女の子に一目惚れしちゃうような「平凡な男の子」に見えないんです。

確かに、整いすぎた顔で、ちょっと近寄りがたいクールな雰囲気は、神経質そうで陰があり、あまり友達がいるようには見えない主人公に合ってはいるのですが…。

とにかく、この主人公は、ちょっとハンサムなくらいの、どこにでもいるような素朴で親しみやすいルックスの男の子が演じた方が、(短編なだけに) ドラマに説得力があったような気がするのです。

それでも、木村了くんは、デビュー間もない時期 (撮影当時 16歳) でセリフ回しに難がありましたが、繊細な感情表現はなかなかで、憂いのある表情など、要所要所で非常に「いい表情」を見せていました。昨年あたりから「若手演技派俳優」との評価を受け始めているのも充分に納得できる「才能」を感じました。

冒頭の大人時代のシーンが「コント」に見えてしまっていたのは残念でしたが、終盤の陰のあるクールな演技はかなり印象的でした。でも、そもそも 16歳の男の子に、23歳の役を演じさせるのはちょっと無理がありましたけどね (^^;;;

そんなわけで、「演技者」としての素質が充分にあるだけに、彼の「美貌」が「足かせ」になっているのは皮肉な話です。特に彼の場合は、非常にクラシカルで正統派の「美少年」であり、今どきの「イケメン」とは系統が全く異なっているのも「足かせ」になっている理由かもしれません。

こんな感じで主演の木村了くんに対してはいろいろと思うところがありますが、それでもこのドラマは様々な点で


美しいドラマ


です。目と心の保養になります (^^)v

特に、このドラマは一貫して木村了くんを輝くように美しく撮っているので、「美少年大好き」&「木村了くんファン」の女性にはたまらんものがあると思います (^o^)

その点でも

お勧めです (^^)v


それにしても、このドラマの DVD の宣伝文句が「長谷部優初主演ドラマ」なのはヘンだよなぁ。

確かに、長谷部優さんの方が木村了くんより年上で芸歴も長いから宣伝上は仕方ないんですけど、ストーリー上はあくまで木村了くんが主役で、長谷部優さんはその相手役に過ぎないんですから。