「アーユーレディー?」('02)

アーユーレディー？ （DVD） 韓国版

リージョン3 ですが、リージョン2 にも対応しているので、そのまま日本の DVD プレイヤーで再生できます。

キム・ジョンハクさん、キム・ボギョンさん主演の冒険ファンタジーです。共演はイ・ジョンスさん、チョン・ジョンミョンさん、アン・ソックァンさん。他にハン・ヘジンさんや名子役のパク・コンテ君がちらっと出演しています。

→ 輝国山人の韓国映画「アーユーレディー?」

→ Innolife.net「キム・ジョンハク」
→ 輝国山人の韓国映画「キム・ジョンハク」

→ 韓国俳優DATABASE「イ・ジョンス」
→ 韓国俳優DATABASE「アン・ソクファン(アン・ソッカン)」
→ 韓国俳優DATABASE「パク・コンテ」

韓国映画としては破格の 60億ウォン (広告宣伝費込みで 80億ウォン) という超大作映画でありながら、驚くほどの大コケに終わり、この映画をきっかけにブレイクするはずだったチョン・ジョンミョン君が、下積み生活を送るきっかけとなった作品とも言われています。

そんなわけで、内容には全く期待せずに、ジョンミョン君が出演しているというだけで観たのですが、期待がなかった分、意外に楽しめました (^^)

でも同時に大コケしたのも納得 (^^;;;

主演のキム・ジョンハクさんは、いくつかの映画で見せた穏やかなイメージが気に入っていて、比較的好きな俳優さんではあるのですが、それでもあくまで「名脇役」として脇で光るタイプだと思います。なかなかいい演技をしていましたし、役自体にも合っていたと思いますが、これだけの大作映画の主演俳優としては、個性や華やかさが乏しすぎるように思います。

また映画自体は、ハリウッドが得意とする派手な冒険ファンタジーという点で、それなりに頑張ってはいましたが、CG が「いかにも CG」という感じで、全体に安っぽい…。

その一方で、単なる冒険ファンタジーに終わらせず、主人公たちが深刻なトラウマを抱えているという設定や、トラウマに基づく悪夢をホラーやサスペンス風に描くなど、ストーリーのコンセプトや映像のタッチはかなり僕好みですし、役者たちの熱演振りも悪くはありません。

しかし、あまりに盛り込みすぎている上に、メインの登場人物が 6人もいるため、全てが中途半端になってしまい、ストーリーのつながりが不自然でおかしいところがかなりありました。おかげで観ている最中に「?」となることばかり (^^;;;

正直なことを言えば、ジョンミョン君とイ・ジョンスさん扮する高校生コンビは、ストーリー展開上、いなくても良かったと思います (^^;;;

そして何より致命的なのは「オチ」。

僕は嫌いではないですが、あまりの訳の分からなさに、スクリーンにモノを投げつけたくなる観客がいてもおかしくないでしょう (^^;;;

とにかく、こんな映画では、多くの観客が満足するはずがありません。

それでも意外に僕が楽しめたのは、チョン・ジョンミョン君の熱演振りが観られたこと (^^)v

寂しげな瞳と、「ファッション70's」('05) での印象が強いため、「アウトロー」のイメージが定着していますが、デビュー当時は、こんな「メガネをかけたインテリの高校生」役もやっていたんだなぁと、かなり新鮮。ちょっと嫌味な感じのキャラクターも珍しいですし。

因みに、不良高校生を演じたイ・ジョンスさん (「この世の果てまで」('98) のジェソク役でおなじみ) は当時既に 20代半ばだったわけですが、とても同じ高校生役には見えませんでした (^^;;;

そして何より、観ていて気の毒なくらいの過酷なシーンの数々。新人俳優として、何でもやらなきゃいけないとは言え、本当によく頑張ったと思います。

アクション自体は、後の主演映画「強敵」('06) の方が遥かに過酷だとは思います (^^)

ということで、ジョンミョン君の出番がさほど多いわけではありませんが、ジョンミョン君のファンならば、彼の身体を張った熱演振りを一度は観ておくべきだと思います (^^)v