パナソニックスペシャル「聖徳太子の超改革」 | Marc のぷーたろー日記

パナソニックスペシャル「聖徳太子の超改革」

テレビ朝日で放送されたパナソニックスペシャル「聖徳太子の超改革」を観ました。

テレビ朝日パナソニックスペシャル「聖徳太子の超改革」

結局はパナソニックの長尺 CM に過ぎないんですけど、古代史好きとしては、観ないわけにいきません。

予想通り、ドラマとドキュメンタリーを組み合わせたありきたりの構成や、ドラマ部分の「コントかよ!?」というチープさも笑って済ませる範囲。

それよりも気になったのは、作家・堺屋太一さんの原案によるストーリー構成。

一体、いつの時代の歴史の教科書だよ!? と突っ込みたくなる古めかしさ。

「聖徳太子」とは、実在した「厩戸王」をモデルに後世の人々が勝手に神格化し、崇拝の対象とした (ある意味で) 架空の人物とする解釈が既に一般化しつつあります。事実、現在の歴史教科書では「聖徳太子」という表記は使われなくなってきています。

Wikipedia「聖徳太子」

それにもかかわらず、この番組では、数十年前の歴史の教科書のまま、終始「聖徳太子」としている上に、数々の聖徳太子伝説をそのまま紹介しているのです。

この番組の主旨が、世界的にも珍しい「何でもありのいいとこ取り」という (無節操な) 日本文化の始祖が聖徳太子であり、その独自文化にプライドを持って頑張ろう!!というものなので、敢えて聖徳太子を必要以上に「偉人」として演出したかったのは分かります。

しかし、あまりにもやりすぎです。

もう少し冷静に「厩戸王」の業績として、ストーリーを構成すべきだったのではないでしょうか?

しかも推古天皇を単なるお飾りの女帝として表現しているのも、戦前の歴史教科書並みの作為 (男系男子のみが皇位を継承できるとする皇室典範を正当化するため) を感じて非常に不快です。実際には推古天皇が優れた宰相であったことは既に歴史学者の中でも意見がまとまっているのにもかかわらず。

Wikipedia「推古天皇」

ただ、この手の「日本バンザイ!!」なドキュメンタリーは、NHK や日本テレビ、フジテレビが得意とするところですが、それをテレビ朝日が放送したのはちょっと意外でした。

とにかく、くだらない上に安っぽい番組でした。観て損した…。

パナソニックへのイメージも大幅ダウン (^^;;;