「ホワイトアウト」('00)
- パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
- ホワイトアウト
織田裕二さん主演のアクションサスペンスです。共演は松嶋菜々子さん、佐藤浩市さん、石黒賢さん、吹越満さん他。
この手のアクション映画はあまり興味がないのですが、脇の出演者が比較的僕好みなので、内容にはほとんど期待しないで観てみました。期待なしで観たせいか、予想よりは楽しめました。プロット自体は悪くないと思います。
とは言うものの、「面白いからお薦め♪」と他人に言えるかというと、「それはない!!」です (^^;;;
ハリウッド映画にも負けないスペクタクルサスペンスという謳い文句の割に、全然「ハラハラドキドキ」しないんです (^^;;;
「緩急のある演出」を意図したのかも知れませんが、実際には「緩」のばかりが目立っていて、全体に緊迫感がないし、しかも出演者の演技からも、切迫感が全く伝わってこないのは致命的です。特に松嶋菜々子さんの演技の下手さが際立っており、彼女にとって、この映画に出演したのは女優としては失敗だったのではと思えるほど。
それに主人公をはじめとして、ストーリー上の「もうけ役」であるはずの吹越満さん演じるテロリストの男など、登場人物の内面描写が中途半端で「?」だらけ。観終わった後にもやもやが残って全然すっきりしないのも、この手の映画としてはダメと言えるでしょう。
評価の高い佐藤浩市さんの悪役ぶりは確かに悪くないのですが、キャラクターとしての描写が足りなくて、こちらも「狂気」が伝わってこない…。
雪山の閉塞感も全く表現し切れておらず、舞台を「雪の要塞」にしたことが全然活きていません。
そして何より、このようなドンパチの派手なアクションはハリウッド映画なら面白いんでしょうが、日本を舞台に日本人が同じことをしても、全然ぱっとしないし、嘘っぽさばかりが目立ってしまうということを再認識させてもらったというのは大きいです。この手の映画を日本で作るのは止めた方がいいと思います (^^;;;