「ラブ・インポッシブル ~恋の統一戦線~」('03) | Marc のぷーたろー日記

「ラブ・インポッシブル ~恋の統一戦線~」('03)

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ラブ・インポッシブル ~恋の統一戦線~

チョ・インソンさん、キム・サランさん主演のラブコメディです。原題は「남남북녀 (南男北女)」。

感想としては、絵に描いたような「笑えないコメディ」です (^^;;;

インソン君のコミカルな演技は好きですし、この映画でもインソン君の演技自体は悪くなかったのですが、映画全体にテンポが悪くて、全然笑えませんでしたし、一本調子でメリハリのない演出で、退屈この上なし (^^;;;

恐らく、キム・サランさんがコメディ向きじゃないというのもあるかも知れません。役柄が堅物の女性というのもありますが、それにしても演技の間が悪いので、どんなに面白いことをやっても全然笑えない。コメディに慣れているインソン君もさすがに彼女とは息を合わせるのが難しそうな印象を受けました。

また映画のストーリー自体も悪ふざけが過ぎます。この映画が製作された 2003年の韓国における南北問題に対する楽観的な空気が映画全体に蔓延していて、それが日本人である僕の感覚からすると、いくらフィクションとは言え、違和感とともに不快感を感じたことは確かです。特にエンディングについては、そのあまりに「お気楽な展開」に憤りすら感じました。

さすがに韓国でも、同じように「悪ふざけが過ぎる」と思われたのか、映画自体は興行的に大失敗。当時上り調子だったインソン君にとって初の大きな失敗となったわけです。しかし、彼のインタビューによれば、この映画の失敗をきっかけに、もっとしっかり演技力を磨こうと努力し、それが「バリでの出来事」('04) での好演に繋がったそうですから、その点では、今のインソン君を形成する上では非常に大きな意味のある作品なのかも知れません。

そんなわけで、インソン君のファンにはお薦めしますが、そうでない方にはお薦めしません。

ところでこの映画を観て、唯一良かったと思った点が 1つだけあります。

それは怪しいガイドを演じたコン・ヒョンジンさんのコミカルな演技。

コン・ヒョンジンさんの演技をちゃんと観たのは「愛するまで」('96) でのマルリョン役だけだったのですが、プロフィールを観るとコメディ映画が多いので、どんな演技をするんだろうと思っていたのです。

さすが、数多くのコメディ映画に出演しているだけあって、この人はコメディの方がピッタリ。こういう「胡散臭くて調子のいいスケベ男」が得意な役なのかも (^^)v