「かもめ食堂」('06) | Marc のぷーたろー日記

「かもめ食堂」('06)

バップ
かもめ食堂

フィンランドの首都ヘルシンキを舞台にした、小林聡美さん主演の癒し系映画です。共演は片桐はいりさん、もたいまさこさん。

とにかく「不思議」な映画です。特にストーリーらしいストーリーはなく、ただただひたすら淡々と日常生活の一コマ一コマを綴っているのに、意外に現実感はなく、映画全体には浮世離れしたシュールな雰囲気が漂っています。普通なら退屈しそうなのに、主演の小林聡美さんをはじめとする出演者の個性的な魅力と有無を言わせぬ存在感で映画として充分に楽しめてしまう、そんな映画です。

フィンランドを舞台にしていながら、これといってフィンランドの観光地が紹介されるわけでもなく、本当に普通にフィンランドで生活しているかのような日常の風景が奇をてらわない自然な形で映されていて、それがとても「いい味」を醸し出しています。また、多くの日本人がフィンランドに対して抱いている、のどかでのんびりと時間が流れるような、そんなどこか童話のような世界の一方で、でもそこにも「生身の人間」が生きているという「現実」を味付けとしてまぶしてあり、そのバランスが巧みなのです。

決して「面白い」という映画ではないのですが、疲れたときに観るのには最適な、文字通り「癒し」の映画です。お薦めデス (^^)v