子どもの頃、プロレス中継で観ていたフォン・エリック兄弟。
アイアンクローはプロレスごっこでも定番の技だった。
そんな兄弟が、あんな運命をたどったとは知らなかった。
まさに“呪われた一家”で、自殺者が2人も出たのは遺伝子の問題もあるのだろう。
子どもに期待するものの、問題は兄弟で解決しろという両親は今で言うなら毒親。
個人主義と家族主義が両親のご都合主義で行ったり来たりする。
長男も早く亡くなったために、長男的な役割のケビンは振り回される。
弟たちはプレッシャーで薬に走ったり、精神不安定。
プロレスラーだった父から強靱な身体という遺伝子を継ぐ一方で、鬱の傾向は祖母の家系からの遺伝なのか。
次々と襲われる不幸は、詳細には描かれない。
それが想像力をかき立て、その報を聞くケビンに感情移入できた。
そんな不幸な物語だが、最後に生き残ったケビンの一家は、多くの子どもと孫に囲まれているという現在を知ってほっとする。
子どもの頃観ていた、プロレスラー、ブロディやテリー・ゴディ、リック・フレアーも出てくる。
リック・フレアーはもっと嫌らしい感じの俳優が良かったな。
実はインテリであるブロディと試合前にアングルを打ち合わせするシーンは、すごくリアルに感じた。