墓石の前に燈籠の話を・・・
過去にも書いた事があるんですが、昭和40年代頃に庭のブームがあって春日燈籠がかなり売れたそうで当時の価格は50万円くらいだったそうです。
その後、韓国製のものが輸入されて価格は一気に半額の25万円くらいになりました。
それから中国製のものが輸入されるようになってさらに半額の10~12万円くらいになりました。
(8尺の春日燈籠で)
いま岡崎で春日燈籠を作ってもらったらいくらになるんでしょうか?
なかなか調べても価格が出てきませんが数年前に調べたときは6尺で75万円でした。
中国製で8尺の春日燈籠で12万円、岡崎で6尺の春日燈籠が75万円、
あなたはどっちの春日燈籠を購入しますか?
なんでそんなに価格差が出るんでしょうか?
加工精度がぜんぜん違うからです
春日燈籠のみならず観音菩薩像なども中国で加工されています。
日本で作るとかなり価格が高いからです。
岡崎で作られた春日燈籠と中国で作られた春日燈籠見くらべたら一発で分かります。
岡崎は鹿も浮き出てしっかりした加工ですが中国製のものはぼんやりとした加工で素人が見ても分かります。
同様に観音菩薩像も顔さえみればぜんぜん違う事が分かるでしょう。
もう比較にならないくらい岡崎の加工は素晴らしいです。
ですが8尺で12万円の中国製と6尺の岡崎加工の75万円のものとあなたはどちらを購入されますか?
春日燈籠と雪見燈籠は対で設置される事が多く、そうなれば雪見燈籠も岡崎の加工のものでなくてはなりません。
松の木や自然石もそれなりのものを使わないとバランスってとれないですよね。
数百万円以上の出費を覚悟しなくてはならないわけです。
なので多くの方は中国製の春日燈籠を購入するのです。
墓石の加工はどうなんでしょうか?
最初に申し上げておきますが、墓石本体に水切りがついていない国内加工と水切りがついてる中国加工では私は中国加工の方が良いと考えています。
四つ合わせの国内加工の芝石よりも一枚石の中国加工の方が良いと考えています。
もう一つ、下手な国内加工と上手な中国加工はどっちが良いのでしょうか?
言うまでもありませんが上手な中国加工のほうが優れています。
国内加工だから中国より優れているわけではありません。
私が言いたいのは国内加工を望むなら中途半端な気持ちではなくそれなりの覚悟が必要だということです。
墓石加工の種類
国内加工は「自社加工」と「加工業者に委託」に分かれます。
中国加工はピンからキリまで。。
国内加工の業者もピンからキリまで。。
一番悲惨なのは国内の下手な加工業者に任せる事です。
いや、ホントに下手なんですよ、価格だけが高くて。
消費者が直接加工業者と連絡を取ることは無くて、頼んだ石材店がどの加工業者に頼んでいるか?、ってことなんです。
金を渋りながら国内で加工しろって言われて最高の業者に頼めるわけないですよ。
それなりの覚悟をしなければ良いものなんて手に入らないですよ。
「自社加工」も完全自社加工か仕上げを自社でやるかに分かれます。
完全自社加工は原石を仕入れて全て自社で加工するのですが、仕上げを自社でってのが色んなパターンがあるんです。
例えば富山の場合、
大口径が無いから切断は丁場の石材店でやってもらって仕上げを自社でする。
ある程度加工してもらって研磨など最終仕上げは自社で加工するとか、いろんなケースがあるんですよね。
富山の場合、かなりの量の石を使うので大きな原石が採石されるまで待たなくてはなりません。
さらに原石で仕入れた場合加工途中に何らかのトラブルがあった場合に対処出来なくなる場合があるので、原石を仕入れるのはかなりのリスクを伴う事になります。
これを全部お客様に説明したところで理解できるはずもなく、国内加工で仕上げると今の見積価格から倍以上になるし時間もかかりますと話すと大抵のお客様はあきらめられます。
250万円くらいのお墓が500万円以上になりますし、数か月から1年くらい時間がかかりますと言われて「分かりました、いくらかかってもかまいません」と答えた人には会ったことがありません。
8寸和墓程度なら国内加工でもいいかと。
富山の大きなお墓を国内加工するのは無理ということは理解されrたと思いますが8寸の和墓くらいであれば国内加工も可能でしょう。
僅か数才くらいですから。
倍になったところで驚くくらいの価格にはならないかと。
200万円以内で収まる事も可能ですし、石種によっては。
国産石では真壁あたりが手に入れやすい価格帯ではないでしょうか。
ただ「真壁青小目」の特上品は手に入れるには少し苦労します。
あなたが頼んだ石材店が「真壁青小目」の特上品を供給できる丁場の石材店と取引できるかどうかが鍵となります。
富山のお客様でも「真壁青小目」の特上品を希望された方がいらっしゃいますが「真壁青小目」の特上品は大きなものが採石されないのです。
仕方なく諦められました。
(同じことは庵治石にも言えます。富山のお墓の納骨室は庵治石では作れません、大きな石が無いんです。あったとしても目の玉が飛び出る金額になるでしょう)
庵治の腕の良い石材店が加工すると手を切るくらいのレベルだそうです。
第一石材店さんのショールームには手を切るくらいの凄い加工をした庵治石のお墓があるそうです。
奈良の石幸さんにも聞きました。
花立の加工が凄くて掃除の時にお客様が移動させようとして手を切ったことがあるそうで仕入れてから面取りをするそうです。(笑)
凄いですよね。
自社加工とうたっているのに一部は加工業者に依頼
ある中部地方の石材店は自社で加工もしていないのに「自社加工」だと言って同業者もやめてほしいと言ってるそうです。
また、簡単な加工だけは自社でやって蓮華などの加工は国内業者に任せてる石材店もあるそうです。
そうです、あなたが国内加工じゃないと納得できないと言ってもそれが本当に国内加工であるかどうかは確認のしようがないんです。
また一部だけ国内の業者に任せてる石材店もお客さんが見学したいといったら委託した業者に部品を送ってもらっていかにも自社で加工してると見せかけたそうです。
↓↓おなじみの中野さんのブログです。
これでどうやって本物を見分けることができるんでしょう。
また石材店は自社加工をアピールしますが自社加工がそんなに優れているんでしょうか?
もし自社の工場が中国にあったら、インドにあったら、ベトナムにあったら、
そこで加工されたものは自社加工ではあると思いますが国内自社加工ではありませんよね。
そういうことも可能性としてあるかもしれません。
丁場の石屋の方が加工は上手ではないかと思います。
上手というかいつも自社で採石した石ばかりを加工してるので石のくせを熟視してるし石目を合わせるのも上手にやってくれます。(一部下手な石材店もありますが)
なぜか自社加工のほうが優れているのではないかと消費者が思っているんですが、中国よりも下手な自社加工の石材店もあるんですよ。(笑)
国内加工を希望し高い金を払うなら現地まで出向いて見学することです。
私がその立場だったら見学に行きます。
偽物をつかまされたくないからです。
しかし多くの人は信じているので見学行くこともしないし見学できることもしりません。
良い石材店であればお客様と一緒に見学に行かれています。
こういう提案もしない石材店にあたっらら困ります、この時点ではキャンセルもできませんから。
石の産地偽装はダメなのに加工偽装は許されるのか?
自社で加工してないのに自社加工だと言ってる場合、
国内加工なんですか?
中国加工なんですか?
国内加工ですと言いながら中国加工である場合は、、、
実際ありますね。
お客さん、かわいそうです。
ここで誰もが言います、
「信頼できる石材店に任せなさい」
と。
だけどどうやって信頼できる石材店を探し出す事が出来るでしょうか?
HPに国産石は絶対に中国で加工はいたしませんと書いてある石材店はどのくらいあるのでしょう?
これも知ってるのは同業者だけで消費者にその情報が伝わることはないかもしれません。
(競合したときにライバル石材店が話してくれない限り知ることはありませんね)
価格聞いたら高かったので「国内加工は諦める」と」言ったら、「じゃあ中国で加工しましょうか?」って言われますよ。
というか言ってくれるだけ正直でいいです。
「分かりました」、ってこっそり中国加工されるかもしれませんよ。
加工偽装って問題にならないの?
丁場の石材店にやられたら仕入れた石材店は知る由もありません。必然的にお客様も結果として騙されてしまう事になります。