熊本の大地震の映像を見ました、墓石の耐震工法は? | お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

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熊本大地震でTVの映像で崩壊した墓石の映像を見ました。


熊本で被害にあわれた皆様、本当に大変だと思いますが復興に向けて頑張って下さい。
月並みな事しかいえなくて申し訳ありません。

私のブログで何回も取り上げさせていただいてる「かっぱちゃん」さんが熊本在住でお墓がどうなったのか心配しております。

震度7(激震)は家屋の30%以上が倒れ、山崩れや地割れができる大きな地震です。

私が今まで体感した地震で最大のものが能登沖地震で、仕事で富山市にいました。
その時が震度3で、めっちゃビビったのを思い出しました。
それ以上の地震は経験したことがありません。

年に一回、震度2くらいの地震があるかないかの地域で私も地震に関しては全く無防備です。

能登沖地震の時は石川県羽咋や能登地区では鳥居が根元から折れたり、寺院墓地ではお墓が将棋倒しになり、忠魂碑は60cmほどもずれる被害がありました。

富山県では氷見市が被害が多く、セメントを使ったお墓は竿石がずれて、昔のお墓は唐戸がずれて組み直ししなくてはならない状況でした。

富山市でも古いお墓は被害はありました。


テレビの映像で見た熊本のお墓ですが、新しい丘カロート型のお墓の上の部分が倒れていました。(富山のように観音開きが多いのですが、地震でずれて扉が開かなくなったなどの被害は無いとはいえないと思います)
古いお墓は完全に倒壊でした。

このように道路に亀裂が入るような大地震においては「墓石の耐震工法」など何の役にも立ちません。
ですが、震度3くらいの地震が頻繁におこる地域においての耐震工法をいま一度考えてみたいと思います。


耐震工法と耐震構造


耐震工法は
  • 石材用強力ボンドを使用する
  • ジェル系のクッション材を使用する(同時に金属系のものも使用)
  • ステンレスの芯棒などを使用する
  • 上記いずれも組み合わせる

が考えられます。

耐震構造としては
  • お墓の上三段を一つの石で作る
  • お墓に「ホゾ」を作って組み合わせる
  • 基礎工事を強力なものにする
  • 上記いずれも組み合わせる

耐震工法は従来のお墓の建て方に手を加えたもので、一般的に耐震対策はこの方法で施工します。
ボンド使用などは当たり前なのでわざわざ書くこともなかったんですが。(ただし施工は晴天の日におこなわなくてはなりません)

耐震構造は石の量が増えますので価格は高くなります。
基礎工事も地盤改良などすれば価格は高くなります。


耐震工法について


石材用強力ボンドを使用することは必至です、そして晴天の日の施工も必至です。
私は地震が少ない地域ではこれで十分だと思っています。
富山のお墓は観音開きです。
実際に能登沖地震の時には扉が開かなくなったケースはけっこうありました。(セメント工法です、当時のボンド工法のお墓は被害はありませんでした)

なので扉よりも当て蓋の方が安全と言えば安全かもしれません。
墓地に行くと新しいお墓でも当て蓋を採用したお墓を時々見ます。
静岡で建てたお墓も当て蓋にしました。


ジェル系のクッション材を使用するケースですが、石材店によって価格が違います。
これからお墓を建てる人に、
東北なら東日本大震災で倒れてしまったお墓の写真を
関西なら阪神淡路大震災で倒れてしまったお墓の写真を、
見せたら絶対にお客様は不安になります。
なので地震の多い地域や過去に大きな地震で被害を受けた地域は墓石営業マンに耐震施工を勧められたらほとんどの人が「やってください」と言うと思います。

問題なのは施工価格です。
数万円程度が適正価格であると私は思っています。


ステンレスの芯棒をお墓に突き刺して固定するという施工です。
実際はお墓にあけた穴にステンレス棒をはめると少し隙間が出来るんですよね。
その隙間にはみ出してしまうくらいタップリとボンドを詰め込むなら有効かと思います。

地域によっては「お墓が串刺し」になると思われて拒否される事もあります。


耐震構造について



竿石、上台、角台、をつなぎ目なしで作ってしまおうという場合です。
富山でこういうお墓を見たことがありますが、他の地域でもあるようです。

水切の研磨が大変ですし、今だとかなり加工料金が加算されると思いますね。


ホゾをつける場合ですが、日本全国各社知恵を絞っていくつか特許申請をされています。
木ならホゾをつけてはめ込めば強度は出るんですが、石の場合はどうでしょう?
ピッタリな寸法だと施工時に角を欠けさせてしまうかもしれません。

どうしても隙間があると思うんですよ。
隙間は接着剤で埋めるしかありません。


基礎工事なんですが、地盤が全てです。
硬いところはまず問題はありません。
地面が砂状のところが問題です。

富山県のある地域では4寸角長さ4尺の松の木の杭が何の抵抗もなく入っていきます。
これ、効いてるのかな?って思うくらいです。

じゃあ地盤改良しようと思っても自分の敷地だけを地盤改良してもあんまり意味が無いんです。
通路とか左右の区画と一緒にしないと効果がありません。というかそれで本当に効果が出るのです。


耐震工法と耐震構造は有効なの?


ジェルを使った工法などは工業試験結果も出てますので、それなりには有効だと思います。

石材用強力ボンドを使用すれば納骨室の構造はくり抜き型でなくても合わせ型で十分ですと富山の石材店の多くは言います。
私もそうだと考えています。
しかしながらボンド工法が始まって十数年、誰も50年後や100年後の結果を見た者がいないんです。
同じように考えたらジェルを使った耐震工法のお墓の50年後や100年後を見た者はおりません。
途中で震度5くらいの地震があったかもしれません。
今回の熊本の大地震は道路にも亀裂が入るくらいでした、こういう場合はどんな耐震工法も耐震構造も役には立たないでしょう。

被害を受けなかったのは、たまたまその地盤が安定したのと運が良かっただけです。


合わせ型の納骨室でもボンドを使えば大丈夫といわれても、やはりくり抜き型の方が良いとは誰もが思う事実だし、耐震工法や耐震構造も無いより有った方が良いのではないかと思うのは皆さん一緒だと思います。

耐震構造は石の量が増えるので価格が高くなる事は理解しなくてはなりません。

耐震工法によいては価格が問題です。
多くの場合はジェル系を使われると思いますが、ネットで調べていくらぐらいが適正な価格なのかを調べたほうがいいと思います。


実際、私は特別に耐震工法や耐震構造にはこだわっていません。
ジェルって硬くならないの?
ホゾ作ってもピッタリはまるわけじゃないし。
などと思っています。
否定はしません、しんぱいなら耐震施工をしてもらえば良いと思います。

今回の熊本の大地震の場合のように地面に亀裂が入ったらどんな耐震施工も効果がありません。
また自分のお墓が耐震施工でも両隣のお墓がセメント工法で何の対策もされていなかったら倒壊する可能性もありますよね。
あなたのお墓に隣のお墓が倒れてくるんです。


それをお忘れなく。


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