
今回も、いつものように総菜を持参しました。

他には、自宅にあったリクライニング式のイスとオットマンのセット。
それから『中玉トマト』の苗を持っていきました。
父にトマトを栽培してもら貰いたい。
もちろん準備はする。
そう、少し前から母には話していましたし、
父には遠回しに何度か伝え、
前回の帰り際、「次は苗を持ってくるから、頼みますね」と言って、実家を後にした。
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『中玉トマト』の苗を札幌で、『ミニトマトの苗』を実家近くのホームセンターで調達した。
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いつも実家に着く時間帯は、父は休んでいる時間だ。
迎えてくれるのは母で、それから一緒に一杯飲むことにしている。
翌朝、父と顔を合わせる。
「オッス!昨夜は(到着が)遅かったんだな?」父が言う。
「苗を持ってきたので、よろしく」そう伝えた。
そのあと、コーヒーを啜りながらのんびりしていると、音がした。
父が庭へ行ったようだ。

しばらくしてから、外へ出てみると父が作業に取り掛かっていた。
以前から土が入って“雑草”が生えたプランターから、草が除かれ、土がむき出しになっている。
そのプランターと土を使うつもりなのだろう。
おぉ!なかなか積極的じゃあないか!そう思った。
「栄養のある土を持ってきたから、混ぜて使って…
苗が2種類あるから、もうひとつ空いたプランターも使おうよ」と僕が話した。
「そうか!2種類あるなら、そうするか!」父が答える。
と、その時、母が表れて、間髪入れず怒鳴り出した。
「何、してるのさーー!!」すごい剣幕だ!!
屈んだ体勢のままの父が「苗を植え替えるプランターを用意…」そう言いかけているのを遮り、母が言う。
「余計な事をしてぇーー!!」激昂した母が続ける。「それ、何だと思ってるの!?」
「これ?これは、雑草だろう?」と父母の方を向き直して答える。
口にしないものの、僕も全く同感だった。
いつからかわからないが、ずっと雑草が植わったプランターがある。そうした光景が続いてた。
だから、父の行動も、言い分もわかる。
その草を避けて、土ごとプランターも使えば手っ取り早い。
「それはね、ワタシの実家から持ってきた土なの!余計なこと、やめて!」
知らんぞ、そんなことは!父と僕はほぼ同時に口に出した。
「言ったでしょ、前に!なんでも忘れちゃって!」母はそう言い放って、家の中に入って行った。
「“こだわり”があるものみたいだから、別なのを使おう」と僕。「悪いけど…元に戻して、新たに土を入れておいて…」
「おう!“こだわり”があるみたいだからな(苦笑)」

家へ入り、母に話す。
「“アレ”は、今草を戻して貰ってるよ。
“積極的”にやりだしたんだから、咎(とが)めないでもらえるかな?」
「知ってたはずなのに!急にやり出したかと思ったら余計なことを…ボケて憶えてないんだから!」
「……。歳だから、ボケちゃったとしても、したない。どっちがボケても同じだ…それは仕方ない。
もう、歳だから…ボケても、いいよって思う」
母はただ黙っていた。
「でも正直、準備が出来ていない。
だから、遅らせることが出来るなら、遅らせたい。
ボケてゆくのは変えられなくても、ゆるやかに進んでくれたらと思う」
積極的にやり出して…何だか栽培のテクニック的なこと聞かせてくれたよ、そう僕が続けた。
「“お膳立て”をして、ようやくする人だからね」と、笑いながら母が言う。
「だから…次は、“行者ニンニク”の苗か、ししとうの、苗を持ってくるかな?って聞いたんだよね」
「それで、なんて言ってた?」いたずらな感じの言い方を母がした。
「“いや、それは持ってこなくていい”だって(笑)」
やれってよ!そう、笑い声の混じった声で母が言った。


耳にしたのが5月だからなのか、今の時期に決まって聴きたくなる一曲。
モータウンの名曲を、ロッド・スチュアートが新しい解釈でカバー。
ポジティブな一曲に仕上げたナンバー。
