
雪はしんしんしんと降り、積もってゆく。
歩みを止めて見ている者は、自分以外にはいない。
冬は、終わってはいなかったのか。
そう直感する人も少なくないだろう。
こうした光景を眺めていると、必ず頭の中に流れてくる音楽がある。
クロディーヌ・ロンジェの『スノウ』だ。
その時の自分の気分に関係なく、また置かれた環境にも関係なく、流れ出す。
無意識のうちに、雪が静かに重なってゆく光景と、セットなのかも知れない。
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クロディーヌ・ロンジェの音楽を教えてくれた人がいて、その時初めて僕はその存在を知った。
まだ、自分の人生の駈け出しで、初心者だった頃の事だ。
「“クロディーヌ・ロンジェ”の“スノウ”を知ってる?」
電話の主がそう聞いてきた。
「知らないなぁ…それ、だあれ?」そう答える。
「(笑)“ソフトロック”の“クロディーヌ・ロンジェ…」
「ソフトロック?? ソフトなロック?何だ、そりゃ(笑)」
「そう、ソフトなロック(笑)」
“ソフトロック”と呼ばれる音楽があるらしい。
それまで、触れたことはもちろん無いし、初耳だった。
ソフトと、ロック…相反するというのか、矛盾しているように思えた(笑)
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クロディーヌ・ロンジェは、モデルが女優が本業の人じゃないだろうか。
だから、自作の曲を歌唱するのではなく、誰かが書いた曲を歌う。
しかし、紛れもない存在感がある。
『スノウ』にしても、誰かが書いた曲だ。

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この『スノウ』の歌詞は、どこか切ない。
確かこんな風だったはずだ。
あなたと歩いた足跡は やがて雪が消してしまうだろう、といった内容だ。
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クロディーヌ・ロンジェが歌う他の楽曲。
それらは、雪や足跡は関係ないのにも関わらず、『スノウ』を思い起こさせる。
クロディーヌ・ロンジェが歌う『スノウ』が流れてきて、しばし佇む自分がいる。
そう、書いた。
正直に打ち明けるとしよう。
佇むというより、そこから動けなくなってしまうのだ。
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そこから抜ける、即効性はどの曲も、見いだせない。
しかし、一曲、クロディーヌ・ロンジェが歌う『ハッピートーク』という曲だけが効き目がある。
それから音楽サイトで、『ハッピートーク』をすぐに探し出した。
低めに流しながら、現実に戻るべくそこをあとにした。