すき煮。

 似ているようで、 すき焼きとも、肉豆腐とも違う。

 様々な食材の味がして、なおかつ味としてまとまっている献立。

 ただ派手なところはない。 

 人によっては、“地味だ”という人もいるかもしれない。

 しかし いろんな食材が入ることで出来上がる、
この献立は、ある意味懐の広さを持った献立とも言える。

 そう、 すき焼きとも、肉豆腐とも違う。
付け加えると、忘れられているようなところがある。


しかし地味ではなく、滋味なのだ。




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 滋味と聞いて、すぐに思い浮かぶのが『ザ・バンド』というグループだ。 

 このところ、ザ・バンドの音楽をよく聴いていた。

 どこへ向かうにも、車で流していた。






 ザ・バンドは、ボブ・ディランに実力を買われ、
まさにロック転身時に採用され、ボブの“例の、あのバンド”と呼ばれたことに由来しているバンド名だ。 





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 彼らの音楽を誰に説明するとしたら、
これがまあ、なかなか難しい。

素朴。渋い。 哀愁。
 そうした印象になるかと思うし、土っぽく、男っぽい。 

多彩なサウンドは、地味ではなく、まさに滋味である。





 映画を趣味にしているような方は、バンドのドキュメンタリー映画 『ラストワルツ』で 、ザ・バンドの音楽、その名を知っているかもしれない。 

マーチン・スコセッシ氏の監督作品で、彼らザ バンドの解散コンサートの模様を収めたライブ作品であり、ドキュメンタリー作品だ。

 今でこそアーティストの映像を動画として目にする機会は多いが、当時としては、貴重な作品だったことは容易に想像が出来る。



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 ザ・バンドは、いなくなってしまったのだな。 
 僕は、そう悟った。 

 ドキュメンタリーのなかのメンバーの言葉が印象的だ。

 そのメンバーは言う。

 “僕らだけの音楽を作りたい、それだけだった”、と。

 


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このところ、ザ・バンドの音楽をよく聴いていた。


 どこへ向かうにも、車で流していた。


 味わいがあって、何て滋味だろうと感じいっていた。


 そして、どこか自分の暮らす北海道の風景に、馴染むように思えていた。