何かを始める時。準備万端に整えてから、始めるタイプの者と、準備もそこそこに、始めることを好しとするタイプの者がいるように思う。
 
どちらも、そこに行動の原理があるはずだ。




さて、独断的に展開している『トーキング・ヘッズ』特集も、後半にきています。
今回はトーキング・ヘッズのリズム、グルーヴ感の核。ベーシストのティナ・ウェイマスさんについて。

トーキング・ヘッズのサウンドを語る時、ベース・ラインに依るところがあると言われる。
音楽ジャーナリストであれ、ファンであれ、そこは一致している点だろう。

担当は、紅一点ティナ。


もともと、メンバーは美術大学の同窓生。
ティナは、ドラム担当フランツ(のちに夫になる)にバンド活動に誘われて、参加をする。

しかしながら、ティナにはベースの演奏経験がなかった。
だから加入してから、ベースを学び、練習した。

彼女がお手本にしたベーシストは、
モータウンやアトランティックレーベルの名うてのベーシストたち。
つまり黒人の、R&B音楽で活躍していたミュージシャンたちだったらい。

ティナがライブに向け、メジャーデビューに向け、練習を積んでいったことは、想像するに難しくない。



まったくの素人同然のティナが誘われて、トーキング・ヘッズのベーシストとして、参加する。


それから半年も経たないうちに、トーキング・ヘッズはデビューした。



今では、彼女のプレイは『偉大なるベーシスト選』のランキングに選ばれ、YouTubeを観ると、ティナのプレイを再現することはもちろん、分析したり、解説している方が少なくない。




彼女の演奏の様子を観てみると、その都度の服装にも目が行く。センシティブなのだ。


70年代の後半。彼女は、友人に誘い受けてバンドに参加した。

それから、誰からも見ても、疑いようのないベーシストになった。