もう少し、ダニー・ハザウェイのことを。

今はアルバムをフル再生、しかも無料で出来ますよね。とても、良いことですよね。

 




前投稿では、ダニー・ハザウェイのアルバム『ライブ』から一曲取り上げてみました。

このアルバムは、何曲か他人の楽曲をカバーが歌われています。

一曲目は、マーヴィン・ゲイの『ワッツ・ゴーイン・オン』から幕を明けます。

20代後半か、30代の初めだったか…音楽をかけて、食事とお酒を出す。そんな店が、何軒か出来て、当時友人と行ったことがありました。

北区、東区、そして街なか―。

ちょうどパルコやセントラルの裏手辺りにも、
そんな店が出来たところで、
「良さ気な店が出来たらしい」
「じゃあ、行ってみよう」と、音楽が好きな友人と行きました。

こじんまりとした店は、地下にあり、店の扉を開けると、ソウル音楽が外に流れ出してきました。

すでに、雰囲気が良かった。

店の壁には一面、沢山のレコードがディスプレイされていました。

友人と僕は互いの近況を報告しあいつつ、2杯、3杯と干していきました。

次のオーダー取りに、若い女性店員さんが僕らの席に来た。

注文を終え、壁にあるアルバムを指して
「ダニー・ハザウェイの“ライブ”盤があるね」
そう、言ってみた。

店員さんは、“わからない”という顔をしていた。

新しい一杯が届けられ、再び友人と“続き”を話していた。

すると、音楽が止まった。一瞬の静寂があり、僕らの会話も止まった。
互いに顔を、見合わせる友人と僕。

次の瞬間、店内に歓声が響いた。
一体、どこから?? 誰だ??
僕らは戸惑った。

それから、すぐに気づいた。



店の方が、アルバムをかけてくれたのだった。