マラソン練習は質より量が基本になります。その根拠ですが、マラソンは長時間運動し続けるスポーツだからです。瞬発系の筋肉よりも、持久系の筋肉が活躍します。持久系の筋肉はエアロビック筋と呼ばれ、このエアロビクス筋を発達させるには、低負荷で長い時間のマラソン練習が効果的です。
 瞬発系(速筋)の筋肉は、主に糖分をエネルギーとして使いますが、持久系の筋肉(遅筋)は主に脂肪をエネルギーとして使います。体内の脂肪燃焼効率を向上させると、健康増進にもつながり、ダイエット効果もありで、一石二鳥の効果です。つまり、マラソン練習は、質(強度)よりも量(練習時間や距離)が大切ということです。
 低負荷で長い距離を走るマラソン練習を続けていると、そのスピードもだんだん速くなってきます。低負荷とは、心拍数を目安にします。180から年齢を引いた数が、低負荷なマラソン練習での最大心拍数になります。ゆっくり長くのマラソン練習を継続していると、遅筋が発達していくため、同じ心拍数でも楽に速く走れるようになります。マラソン練習で量をこなしているうちに、質の部分も自然と高くなっているのです。目指すレベルによって練習量は様々ですが、マラソン練習での課題は、遅筋の強化です。体内のエアロビックシステムを強化しましょう。

 マラソン練習は、現状の自分を知ることからスタートしましょう。現実的な目標タイム設定と練習計画を立てることがマラソン練習の基本です。目標タイムや練習計画は、ある程度大まかに決めてもかまいませんが、マラソン練習日誌を必ず用意して、走った距離と時間、ペースや練習内容などを記録しておくことをおススメします。マラソン練習の日誌は、後々あなたの大きな財産になります。マラソンは体力や持久力だけでなく、経験でレベルアップ出来る種目だからです。自分に合ったマラソン練習方法を確立するためにも、日々の記録は貴重な資料になります。マラソン練習の基本は、質より量です。故障しない身体作りをする為にも、まずは月間走行距離をある程度確保することから始め、徐々に質の高い練習を取り入れていきましょう。
 マラソン練習は、やった分だけ成果が出ますし、走った距離は裏切りません。また、マラソンに対する情熱と 練習時間が同じであれば、効果的な練習を継続した方がより高い目標をクリア出来ます。効果的なマラソン練習とは、大まかにいうと、レースペースで走れる距離を増やしていくことです。週に2回位は、マラソンのレースペースで走るポイント練習を取り入れましょう。最初は1㎞でも2㎞でもかまいません、ポイント練習の 日はある程度の距離をレースペースで走ることです。ポイント練習日以外の日は、休養したり、ポイント練習をこなせるよう、明日につながるマラソン練習をすることです。次の日に疲れを残さない程度の練習を継続しましょう。
 フルマラソンである程度納得が出来る(自己満足)走りをしたいのであれば、狙うフルマラソンは年に2回位迄がベストです。一つのフルマラソンに集中して取り組もうと考えた場合、必要なマラソン練習期間は、最低3か月~6ヶ月はあった方がいいでしょう。