7 「初めてのおつかい」ならず「初めてのひとりでの外出」の巻( チャイナタウンへ) | シニアのマレーシア滞在記

シニアのマレーシア滞在記

73歳のシニアによるマレーシア珍道中の記録。2024年5月から6月の43日間滞在記です。まだ更新中です。続きます。

 5月14日、初めての一人外出です。
 海外では健康と安全が何よりも大事です。一番安全なのは自宅から出ないことです。でも、それでは海外での生活を体験する意味がありません。外出にはリスクがついて回ります。そのリスクをできるだけ小さくしながらの外出。それが私のマレーシア生活の大きなミッション(笑)。
 クアラルンプールは比較的安全だと言われています。過去10年以上、シニアの移住先の第一位です。なお、今後はビザ要件が厳しくなったため、移住者は減るだろうと私は思っています。
 比較的安全とはいっても、明らかに日本よりもリスクが高いだろうと思います。強盗は少ないでしょうが、ひったくりは警戒する必要があります。特にスマホです。
 スマホを取られたらまさに死活問題と言うと大げさだけど、本当に困ります。Googleマップが使えないし、電話もメールもできません。助けを求める手段がなくなります。それほど重要なスマホですが、街角で手にすることが多いのでひったくりのリスクも高いといえそうです。
 そこで万一、スマホがなくなった場合のリスクヘッジとして少しの紙幣とともに助けを求められるところの電話番号を書いたメモをズボンのポケットに入れておきました。用心しながらの一人外出です。
 
 モントキアラは日本人学校のスクールバスが停まるので日本人家族が多く住んでいるようです。スーパーもあるけど、20分ぐらい歩きます。基本は車での移動が前提のようです。
 地下鉄MRTのスマンタン駅までは6km離れており、灼熱の中、歩くわけにはいきません。初めてGrab(グラブ)を使います。Grabというのは最近日本でも話題になりつつあるライドシェアのことです。ライドシェアの定義は国会で小泉さんが取り上げていました。日本では広い意味で使われています。本来は乗り合わせということで、自家用車をタクシーのように有料で活用するものです。いわば白タクの合法化ということです。マレーシアでは完全に根付いています。
 Grabはスマホアプリに完全に紐付いており、アプリがないと利用できません。私は日本でGrabアプリを入れ、カードでの支払いもできるようにしてありました。しかし、問題が発生。クアラルンプールの空港でこちらのSIMを入れたのです。30日で1440円ほど。SMSもその番号に届いたのでいいのかと思っていたら、なぜかクレジットカードの登録に際して日本の電話番号にSMSが送られます。スマホに日本の電話番号が残っているようでした。クレジットカードの登録が面倒でした。
 日本のライドシェアの一部解禁はあくまでタクシー会社が限定的に運用しています。対してマレーシアではGrabというアプリを運用する会社が行っています。   
 午前10時前にコンドミニアムの1階アプローチに行き、Grabを呼びます。最寄りのMRTという電車の駅まで22RM(リンギット。1RM=33円ほど)とのこと。スマホの画面に呼んだGrabのナンバーが表示されるので、それをガードマンに伝えたら入り口のカードマンに無線で連絡しています。これでコンドミニアムの中までGrabが入ってくることができます。
 8分後にGrabが到着。初めてのGrab。ドキドキするけど、さも慣れたように後部座席に乗り込み「ハロー」と挨拶します笑。ドライバーからは挨拶だけでその後の会話はありません。40歳前後程度の男性です。シートベルトに手間取っていると声をかけてきました。
 数分でスマンタン駅に着きます。サンキューと一言だけ声をかけてさっと下ります。そしてエスカレーターを上って改札口へ。 Touch' n Go (タッチアンドゴー) カードは、マレーシアの交通系ICカードです。日本のSuicaのようなカードです。でも、タッチする場所が分からず2カ所ほどをタッチすると、バーが開きました。やれやれ。


 ホームの表示には「何分後に来るか」が表示されます。しかも[1st][2nd][3rd]とこの後の電車の到着も表示されます。この時間帯は9分おきでした。クアラルンプールの電車は時刻表のようなものがなく、「何分後に来るか」という表示だけのようです。利用者としてはそれで十分です。ただし、終電や始発の時刻だけは小さく表示されていました。合理的です。


 
この路線は分かりやすい表示で、次やその次の地下鉄の到着が分かる。ほぼ正確

 この駅から中心部へ向かって2つ目の駅を目指します。パサール・スニ駅です。しばらくは地上、それも高架を走るので景色を楽しめます。緑の合間に高層ビルが見えます。車内はとてもきれいです。4両編成で、連結部はそのままフラットなので分からないほど。技術が高いです。
 スマンタン駅のホームには「女性専用」と床に表示されており、そこを避けて乗り込みました。車内は一両の半分ほどだけが女性専用と床に書かれています。4両のうち、中央の2両の半分ずつが女性専用となっています。山手線では車両が女性専用となっているようです。
 途中から地下に入ります。国立博物館を過ぎると、パサール・スニ駅です。ここは他の路線も走っており、大きな駅です。地下から長いエスカレーターを2回乗り継いでようやく改札口です。カードを出すと2.5との表示が。約80円。安いです。
 駅を下りたものの中華街の場所が分かりません。駅の若い人に聞き方向の検討をつけ、さらに「地球の歩き方」である程度の見通しを持って数分歩くと、有名なブタリン通りに入りました。露天がびっしり並んでいます。お昼頃になると人も増えてきました。欧米系の観光客が目立ちます。カバン、靴、帽子、シャツ、食べ物などのお店があります。モンブランのペンセットもあります。もちろん模造品。時計もありますが、それほど多くはありません。携帯関係のお店も少ないです。
 お腹が空いてきたので、食堂を探します。屋台風のお店はいろいろあります。通りの中程に賑わっているフードコートがありました。タング・シティフード・コートと書かれています。フードコートはメニューが分かりやすく表示されているので、私にはありがたい。どれもおいしそうではありますが、ひとしきり見回して結局、「きつねうどん」を注文してしまった。恥ずかしいかも…。320円。けっこう待たされました。うどんはとても熱かったです。味は薄い目だったので、スープも大半飲んでしまいました。味は日本のと同じということはないけど、それなりにおいしくいただきました。

 


 

 ここから選んでしまいました(汗)

 帽子を探しながらうろうろとチャイナタウンを歩き回ります。欧米系の観光客が注文しているジュース店があったのでそこでマンゴージュースを楽しました。大きなカップにほぼ一杯。500mlはありそうです。6RMですから200円ほど。


この透明はカップにいっぱい入っていました。フレッシュマンゴージュース 

 氷について一言。マンゴージュースには氷が入っています。以前、東南アジアへ旅行した際、飲み物には気をつけていたのにお腹が痛くなり困りました。1週間ほどの旅行で腹痛は面倒でした。その時も生水は飲まないようにしていました。買ったペットボトルの飲み物だけにしていました。でも、腹痛になりました。お店の飲み物の氷が悪かったのかなと当時、考えていました。
 今回のマレーシアでは周囲の人は平気でお店の氷の入った飲み物を飲んでいます。腹痛にはなっていません。ネットで調べると、お店も衛生管理をしており、氷はきれいな水で作った物を使っているとのことです。穴が空いた氷はきれいな水で作った物という説明です。そういえば今日のジュースも、一昨日の市場での飲み物も、穴の空いた氷でした。
 マンゴージュースはおいしいけど、売っているのはほとんどがタイ産です。

 

  チャイナタウンでは帽子を買いました。お店によっては価格が表示されていることもまれにありますが、大半は交渉が必要です。「いくら?」と聞くと、例えば「60」という価格が戻ってきます。単位はリンギットですから、日本円では33をかけることになります。「高い」というと、「いくらならいいか」と逆に価格を問われます。そんなことのやりとりをすることになります。

 若い頃ならその駆け引き時代を楽しめたけど、今はそんなことで遊ぶことの楽しさは感じることはありません。本当の価格はいくらなんだと思うこともかつてはありました。でも、こういった場所では定価はもちろんありませんし、実売価格も決まっていません。客との交渉で決まるビジネスです。

 ここでは「他の店よりも安く買いたい」とか「最安値を引き出したい」と考えることは無駄なエネルギーを使うことになり、ストレスもたまります。いくつかのお店や商品を見て回り、この商品ならこの程度の価格ならいいなというのを自分で決めておきます。そうすると交渉がしやすくなります。

 希望価格を問われたら、自分の想定価格よりも少し安い価格を提示します。するとお店側からはより高い金額が提示されます。そして事前に想定していた価格になるか、それに近づいたら商談が成立します。「OK」と言われることもあるし、黙って握手を求められることもあります。


 帰りも同じルートをたどります。スマンタン駅でGrabを呼びます。数分できました。コンドミニアムまで順調ではありましたが、降りようとしてもドアを開けるノブが見つかりません。外から運転手が開けてくれました。そして一言「ブロークン」と。マレーシアGrabあるあるです笑。
 以上、初めてのひとり外出。中華街の巻でした。

 私のマレーシア滞在におけるミッションの一つ「一人での外出」をクリアすることができました。ささいなミッションですが……。