展覧会に行ってきました。








躍り念仏や一遍聖絵では有名な一遍、その宗派は時宗、ん、将軍の名前では無いですか、いやいや、それが宗派名だったんですね。
一遍聖絵、国宝で、摸本と本物が交互になり、で、内容は仏画というより、旅行記風、犬と鳥が何故かよく登場、道場に寿司詰めで踊る様子、京都三条の舎利殿では人が集まり大変なことに。鎌倉では武士に入るの拒否られたり、ラスト臨終は兵庫、嘆き悲しみ自ら入水してしまうお付きのもの、そこはとても悲しい感じで、思わず感情移入しました。ああ、こういう形も仏教の一つの形なんですね。鎌倉仏教、それも少し遅れた開宗しながら大人気だったようです。

構成
一章
浄土教から時宗へ
法然ゆかりの浄土宗の宝物、法然の肖像画や
重文『阿弥陀如来立像』京都・知恩院
などと、
時宗信仰の根幹と言われる品々
特に、とにかく美しい
重文『二河白道図』島根 萬福寺
など、時宗は民衆の為の宗派だったんだと感じられました。

二章
時宗の教え 一遍から真教へ
一遍上人、それに続く真教上人の二人の肖像と踊り念仏の様子、そして書、六字名号 一遍正人筆の癖字、『遊行上人書状(金台寺本)』長野 金台寺
ここで初の踊り念仏が行われてたとか。
また、会場では何か分からなかったんですが、阿弥陀の名号が書かれた札をくばる賦算というものがあり、後発の鎌倉新仏教だっただけに、遊行して各地を巡り普及に努められたようです。その様子が次の章の国宝の絵巻物にて見られる事になります。
また、熊野詣で初めて神社が受け入れて貰え、それが開宗だったと言われています。
後に鎌倉に入ることが認められなかったとか、後発の悲しさでしょうか。

三章
国宝 一遍聖絵の世界
 国宝『一遍聖絵』神奈川・清浄光寺
基本的に一遍は色黒に描かれ、どこにいるか分かります。
また、神々しさといより、連れのものの中にいて、リーダー的な位置付けに見られました。
国宝保護の為か、オリジナルと摸本が交互に並んでおりました。
京都国立博物館
明治~大正時代に模写されています。
竹内雅隆筆

確か日本を四~五回回っていたようです。西日本だけ?いや、東北にも行ってるようですが、後半には関西周辺になっています。
一遍は、一代限りの宗派だと考えていて多くのものを焼いてしまわれたのですが、続く上人たちは何とか後に残そうと、その最も大きなものは、この聖絵だと言えるかな。
この絵には、草花より犬や鳥が多くて、また、風景としては、四国の岩屋寺のある山、こんなところあるんですね。
四天王寺や、大分の吉備津宮で神主の子息の妻、旦那も帰依し出家する様子が印象的でした。
京都四条での人々の集まり様は半端ではない様子でした。

さて、色黒が分かるでしょうか。




そして、一遍上人の入滅、嘆き悲しんで入水し自害、これだけは見てて悲しくなりました。
と、そのようにとても感情移入出来る国宝でした。

四章
歴代上人と遊行 時宗の広まり
歴代上人の事を紹介するために、座像が並びます。
どれもリアルな像でした。
真教上人は病で顔が歪んでおり、それも隠さず表されてました。
国阿上人は、歌丸師匠にそっくりでしたし、ってそこか(笑)

五章
時宗の道場とその名宝
京博、特別展の出品数が多くて、最終章ではかなり疲労しています。今回も同じくでしたが、活動した場所を道場と呼び、そこに時宗に纏わる品々が並んでます。
和讃は念仏の言葉を書いたもの
地蔵菩薩像 滋賀 浄真寺 はちょっと見惚れました。あまり仏像マニアではないのですが。

と、実に多数の展示、バラエティに富んでおりました。
やはり、一遍上人の入滅の時の入水シーン、心にぐっと来たのを思い出し、博物館を後にしました。







2019年4月13日(土)~ 6月9日(日)
 前期:2019年4月13日(土)~ 5月12日(日)
 後期:2019年5月14日(火)~ 6月9日(日)
京都国立博物館平成知新館 
#一遍聖絵と時宗の名宝