展覧会に行って来ました。

この角度にて撮影したのは、ずばり混んでてこの前に並ぶ列が出来てたことによります(笑)
GWのど真ん中、お昼前で待ち時間20分、場内混んでますが、そう見にくい気はしませんでした。
クリムトの全容が紹介、《ユディトI》のような金ぴかと、風景画や生と死を越えて描いた作品など、派手さと内に込めた作品が見られます。
私は《ヘレーネ・クリムトの肖像》が一番気に入りました。自分にも男にもあまり関心がなく、関心がある女性をよく描いていた、女性画のプロ、ということが、本日の結論かな。

構成
Chapter 1  クリムトとその家族

7人兄弟の長男だったんですね。
グスタフが本人、弟でエルンスト、ゲオルクが芸術家として活躍、フランツ・マッチュはエルンストの友人もそこに加わります。

・フランツ・マッチュ ヘルミーネとクララ・クリムト 1882年頃 油彩、カンヴァス
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
(個人から寄託)、ウィーン
 
・グスタフ・クリムト ヘレーネ・クリムトの肖像 1898年 油彩、厚紙 ベルン美術館(個人から寄託)
これは横顔、非常に古風です。エルンストの娘ですがとても印象的でした。


Chapter 2 修業時代と劇場装飾

・グスタフ・クリムト レース襟をつけた少女の肖像 1880年 油彩、カンヴァス 個人蔵
・フランツ・マッチュ 1880年 油彩、カンヴァス 個人蔵

比較、クリムトは生々しく、マッチュは写実的、これが二人の違い、最終的にクリムトの魅力になるんかなと思いました。

・ハンス・マカルト ヘルメスヴィラの皇后エリーザベトの寝室装飾のためのデザイン(中央の絵:『夏の夜の夢』)1884/85年 油彩、カンヴァス ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館、ウィーン

クリムトも工芸美術館学校で学んだアカデミックな描きかた学びます。劇場向けの作品ですが、これからの離脱が分離派のスタートとなります。反発の生み出す創作、それは大変なモチベーションになってるように思いました。このまま行ったら、クリムトはさほど語られる事なかったかも。


Chapter 3 私生活
さて結婚はしなかったものの、14人の子供がいたようです。うち、グスタフは3人いるそうです。うち関係のあった女性の写真が紹介されてました。
ここでは、

・グスタフ・クリムト 葉叢の前の少女 1898年頃 油彩、カンヴァス クリムト財団、ウィーン

・アルマ・マーラー 1900年頃 ゼラチン・シルバー・プリント オーストリア国立図書館、ウィーン
ほんとキレイです。芸術界で大人気、あのコココシュカやグロビウスとも結婚していたとか。

・ハインリヒ・ベーラー グスタフ・クリムトとファッションデザイナーのエミーリエ・フレーゲ 1909年 ブロムオイル・プリント
ウィーン応用美術大学
クリムトが全幅の信頼をおいたデザイナーだそうです。


Chapter 4 ウィーンと日本 1900
ずばりジヤポニズムの影響を強く受けた時期の紹介がありました。作品見ると分かりました。
1873年ウィーン万博で日本美術が紹介され、で1900年に日本美術展が開催、それで展覧会に1900がついているとも考えられるし、また世紀末の意味で1900とされているのか、まあどちらもありかなと。

・グスタフ・クリムト 女ともだちI(姉妹たち) 1907年 油彩、カンヴァス クリムト財団、ウィーン
浮世絵の遊女かなと、縦長作品でした。

 ・グスタフ・クリムト
17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像 1891年 パステル、厚紙 個人蔵
額に桜が描かれてるなんて、なんて、ジヤポニズム!

・小原古邨 二匹の金魚 1912年以降 多色摺木版 個人蔵
クリムトが所有していたのが小原古邨、そうでしたか、見る目がお有りですね。

・グスタフ・クリムト 赤子(ゆりかご)1917年 油彩、カンヴァス ワシントン・ナショナル・ギャラリー
大きくて何だかミノムシみたいだけど、色彩豊かです。


Chapter 5  ウィーン分離派
ここがセンターですかね。
前半は、

・グスタフ・クリムト ユディト I 1901年 油彩、カンヴァス ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館、ウィーン


・グスタフ・クリムト 第1回ウィーン分離派展ポスター(検閲後) 1898年 カラーリトグラフ、紙 宇都宮美術館
たしか、検閲前もあったんですが、はい、あれを消してるの確認。そこですか、検閲。構図は琳派ですかね。
第10回のポスターも秀逸でした。


・グスタフ・クリムト ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)1984年(オリジナルは1901‒02年)1984 鉛筆、サンギーヌ、パステル、カゼイン絵具、金、銀、漆喰、モルタル、その他 ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館、ウィーン
見事にこの部屋が再現、真下にゆくと聴こえる、第9、巧みな仕掛けでした。絵画は、ゴリラのような悪の化身、そして豊満な女性、あら、第9ってこんなイメージなんですね~。

・ゲルハルト・シュトッカー 分離派会館模型(1902年の第14回ウィーン分離派展
[ベートーヴェン展]開催時)2011年 菩提樹材 ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館、ウィーン
これは実に良くできてて、模型を食い入る様に見てました。

・グスタフ・クリムト 鬼火 1903年 油彩、カンヴァス 個人蔵
キツネ火、女性、フアムフエタルらしく感じられたのは今回はこれが一番でした。

ポスターあり、模型あり、部屋があり、そして油彩、絶世時代だつたのかしら。


Chapter 6 風景画
30代後半に避暑地で過ごした頃に制作した風景画です。都会では描くことのない、湖水地方のものです。ちょっと意外でしたが、人物画を多数描いた彼のいわば心のバランスを取るためだったとも言われてます。

・グスタフ・クリムト 丘の見える庭の風景1916年頃 油彩、カンヴァス ツーク美術館(カム・コレクション財団から寄託)
これはゴッホの影響があるとのこと、見て分かりました。ゴッホの魅力ってすごいですね。


Chapter 7 肖像画
自分には無関心、他人でも男性にも無関心、関心あるのは女性、そんなクリムトが描いたのはこんな作品でした。

・オットー・フリードリヒ ガブリエル・ガリア 1910年頃 油彩、カンヴァス
Oil on canvas
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館、ウィーン
これはクリムト作品ではありませんが、実はこれが一番印象的。女優と犬、犬好き私としては欠かせません。

他には鉛筆デッサンが、あり、見えない位なものでして、斜めから一生懸命覗いてきました。豊田市美術館から、油彩含めた出品でした。

Chapter 8 生命の円環
彼の人生には死は切っても切れないものでした。父と弟、弟子、ウィーン大学の天井画にも描かれたのが、このテーマでした。金ピカの作品とはまた違った味わいと、乾いた印象もありました。

・グスタフ・クリムト 亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像 1902年 チョーク、紙
ディータード・レオポルド・コレクション、ウィーン
切ない感じです。

・グスタフ・クリムト リア・ムンクⅠ 1912年 油彩、カンヴァス 個人蔵
死の床。画家には描かないとならぬ、とも言えるモチーフで、またまた切なさが。

・グスタフ・クリムト 女の三世代1905年 油彩、カンヴァス ローマ国立近代美術館
迫力ありました、これ描いたんですね、と改めて。

・ グスタフ・クリムト 家族 1909/10年 油彩、カンヴァス ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館、ウィーン
独身なのに、家族、心の葛藤が表されてるようです。

2019年4月23日(火)~7月10日(水)
東京都美術館
#クリムト展 ウィーンと日本1900 @ 東京都美術館 Tokyo Metropolitan Art Museum