展覧会に行って来ました。


サブタイトル
先行き不透明な混沌とした時代に、アートだからできること

これは面白い、予想以上に想像力かけたてられました。
実のところ、自然災害、戦争やテロ、難民問題や個人的な悲劇まで、絶えず私たちを襲うカタストロフ(大惨事)をテーマにしてる展覧会なのですけれど。

セクションⅠ:美術は惨事をどのように描くのか―記録、再現、想像

トーマス・ヒルシュホーン《Abschlag》
2018年
ミクスト・メディア・スカルプチャー

スイスのアーティスト、この展覧会のための新作、廃墟、これはフェイクだと使っているのがガムテープやはりぼてだと見るとイタズラのようにも見えるが、「全ての創造は破壊から始まる」これが日本語で壁に書かれており、そんなビカソの言葉を、抽象的な破壊として世界どこでも見られる普遍的なものとして捉えています。

次は写真
クリストフ・ドレーガー
ジグソーパズル



畠山直哉
報道写真のようで撮影したのは、自分の思い出の場所。押しも押されぬ写真家は自分の心証風景のような作品に震災後の様子を撮影しました。






堀尾貞治
具象絵画協会
阪神大震災を描いてくれと言われて描いたドローイング。





宮本隆司
《KOBE 1995 After the Earthquake―神戸市長田区》
1995年
ゼラチン・シルバー・プリント

阪神大震災の惨状、迫力ありました。私はこちらも経験しておりました。


ジリアン・ウェアリング
左:《自分の人生つかみきれない!》 右:《絶望的》
「誰かがあなたに言わせたがっていることじゃなくて、あなたが彼らに言わせてみたいことのサイン」シリーズより
1992–1993年
Cプリント、アルミニウム板
人生について悩んでる事を書いてくれと頼んで書いてもら一緒に撮影。


ヘルムット・スタラーツ
実はよく分からないのですが、この不思議な雰囲気は気になりました。





ホァン・ハイシン(黄海欣)
日常生活、もしかしたらこんなものなのかもしれないという作品。




ミリアム・カーン
抽象画、さて何の?原爆の雲だそうです。
美しく感じてしまつた事から描いたそうです。美しく、でも恐ろしい。さぞかし複雑だったでしょう。


武田慎平
これも放射能
光りは放射線、福島原発による核汚染の土を印画紙に乗せて放置したもの。
これも美しいと思わせるが、放射能によるもの。





平川恒太
ブラックカラータイマー
福島原発の作業者の顔が描かれている黒い円盤



ミロスワフ・バウカ
《石鹸の通路》
1995年
木材、ペイント、石鹸、スチール
250 x 120 x 1,112 cm

次は何と石鹸が塗ってあるのです。
香りがします。
生まれると石鹸で体を洗われ
そして、ホロコーストでの殺戮の前にも石鹸で洗われたと、つまり石鹸の香りは生と死の象徴だと。
それが通路に塗りつけてあります。




加藤 翼
《The Lighthouses - 11.3 PROJECT》
2011年
プロジェクトの記録写真
撮影:宮島 径

いわき市、地元の名所で被災した灯台に模した構造物を引っ張り起こすプロジェクトの様子。






Chim↑Pom
《REAL TIMES》
2011年
ハイビジョンビデオ・インスタレーション



セクションⅡ:破壊からの創造―美術のちから

池田 学
《誕生》
2013-2016年
ペン、アクリル・インク、透明水彩、紙、板にマウント
300 x 400 cm
所蔵:佐賀県立美術館
こちらはデジタル映像で、11月28日から本物が展示されます。
昨年日本橋高島屋とミズマアーツギャラリーで見ています。

他の作品も展示されていました。



ジョルジュ・ルース
《アートプロジェクト in 宮城》
2013年
デジタルプリント、壁紙

震災で取り壊しの決まったカフェに、ある角度から見ると青と白で星に見えるマークを描いたのだが、今展覧会ではゴールドの星のマークを描いたものです。
確かに指定の位置からは星にしっかり見えました。ずれると、なんたか拍子抜けかも。




坂 茂
紙で作られたニュージーランドクライスラーチャーチの教会。
模型ですが中に入った疑似体験が出来ます。





宮島達男
《時の海 - 東北(2017 石巻)》
2017年
防水LED、電線、集積回路、水

東北に3000個のLEDを設置するプロジェクト、その費用をクラウドフアインデイングで集める、それに賛同すると、展示のまえにあるボードに名前を書いてもらえるんだとか。もう10名位書かれてました。


スウーン
《メデイア》
2017年
ミクスト・メディア・インスタレーション
サイズ可変
子供の頃のトラウマを消すために作られた作品




映像60分越えで2/3位しか見られなかったのですが、アートビジネスに関する話で興味深く観られました。

オノ・ヨーコ
《色を加えるペインティング(難民船)》
1960/2016年
ミクスト・メディア・インスタレーション
サイズ可変
中に入り好きな言葉を書くことが出来ます。
私はひたすら自分の名前のサインを書いていた(笑)なんでだろうか?




2018.10.6(土)~ 2019.1.20(日)
森美術館