展覧会に行って来ました。
タイトルが大袈裟な事前予想でしたが、実際見てみると、出品数の多さに驚きました。書籍、絵はがきや楽譜表紙などの印刷物が隙間少なく並べられている状態でした。
私は息苦しくなりそうでした。
もちろん、原画や肉筆画も展示があります。
どれも夢二スタイルで、人気を集めていたもので、熱気を帯びてるように、強いファンでも無いのですが感じられました。
このパンフレットのイメージもなまじ嘘ではなかったですね。
敢えて、自由に絵に取り組んだ夢二、これら一人で決めたものでなく、岡田三郎助からも勧められたようです。
そして、タイトルの千代田区、ここ東京ステーションギャラリーでの開催、多数の展示作品が千代田区にて印刷されたこと、それを千代田区に寄贈されたことに基づくとのこと。
第1章 夢二のはじまり
夢二は、新聞や雑誌に絵や詩を投書して生計を立てていたようです。
そして、『中学世界』に投書した絵画が第一等になりました。
そして『夢二画集 春の巻』の刊行しました。
また、早稲田実業学校に在学中に制作した肉筆の画文集『揺籃(ようらん)』は外国文学の翻訳や創作、挿絵を含めた手書きの冊子です。結構推敲の後も見えました。
また、早稲田実業学校に在学中に制作した肉筆の画文集『揺籃(ようらん)』は外国文学の翻訳や創作、挿絵を含めた手書きの冊子です。結構推敲の後も見えました。
実は文字がよく読めないのですが、情熱を強くて感じました。
画文集『揺籃』1903年

「得度の日」『桜さく国 紅桃の巻』口絵1912年
他には、『夢二画手本』子ども向けの手本集ですが、世の中では子どもが自由に描ける絵手本があったのですが、それが反対に自由に描けなくなると、夢二は自らこれを制作したようですね。
他には
恩地孝四郎とのコラボ『どんたく絵本』も印象的でした。
第2章 可愛いもの、美しいもの
ここは、夢二式美人、最初の奥様のたまきさんをモデルに確立したようです。
《白木蓮と乙女》1919年頃
モデルはお葉、東京藝大のモデル、藤島武二も入れ込んだと言う。
《治兵衛》
《梅川忠兵衛》
《治兵衛》全て1914~1916年 (みなとや版)
夢二は女性のみを描いたわけでないと、伝えたくなる作品でした。
近松の戯曲をモチーフに、ちなみに販売はみなとや、これはたまきのお店で、夢二が出資しているようです。
《宝船》(柳や版)1920年
これは、「かまわん」と鎌とお椀が帆に描かれていて、洒落が効いていて、印象に残りました。宝船なのに沖の方まで行ってしまい、もう、かまわん、と言ったとか。
これは、もしや、自伝の「出帆」に繋がるかも。
また、つるやでは、野球の慶早戦を描いた絵はがきもあり、と言うのも、あった場所が早稲田だったから。そう言う意味では早慶戦と言うべしか、こればかりは(笑)
ともかく点数が多くて、目録にも番号しか書いてない有り様でした。
また、学生向けには、少年向けがメインでしたが、少女向けにも描いていたようです。
《子供之友》
《コドモノクニ》
と子ども向けの雑誌に多数挿絵を描いていたことも、取り上げられてました。
画風は、西洋モダニズム、アールヌーボー、浮世絵まで、良いとこどりのようでした。
また、《手つなご》1922年は、マティスの「タンス」を彷彿させる、子どもが輪になり踊る構図も好きだったようです。
第3章 目で見る音楽
ここでは、ズバリ楽譜、セノオ楽譜への挿絵が多数取り上げられてました。
《コーヒーと女》1915年
など
楽譜は、挿絵のみならず題名の文字まで。あまりにデザインに拘りすぎ、誤字のまま出版しそうになった下絵もあり、それを必死に訂正してるのが分かり、笑わせて頂きました。
単なる美人画ではなく、デザイン性に富んだ作品もあり、ここはドライに見られるかもしれません。
また、中山晋平から松井須磨子まで、と、松井須磨子「カチューシャの唄」はじめ、ちょっと大人っぽいなと思いました。
この辺りも、当時の唱歌を普及させようとしていた世間の流れに反発もしていたとのことです。
後半は『婦人グラフ』の挿絵や表紙が並びます。
第4章 出帆
彼の自伝小説「出帆」を年表形式で、挿絵原画を全て添えて展示する第4章は、普段は展覧会にある年表をあまり読まない私も、面白いエピソードが無いものか、追っかけてみました。
《遠山に寄す》1931年 夢二郷土美術館
これはポストカード購入しました。
何人目かの恋人の彦乃と夢二、お互いに、山、川と名前を伏せて文のやり取りをしていました。二人がそれぞれ、見てるものが相手の名前です。さて、どちらが、山で川でしょうか。

山は彦乃、川は夢二だと分かるかと思います。
エピソード
①彦乃が体調くずし、医者探しに預金通帳持ち出掛けたものの、そのまま東北へ雪見に行って、帰宅は年末、おいおい、と言いたくなりそうです。
②捜査中のロシア人に間違えられて、必死に弁明する姿、ってそんな顔されてたんですね。子連れのお父さん必死な様子が伝わりました。
途中に自画像がありました。人生に疲れた中年親父そのものでした。
大正ロマン、もちろん夢二好きな方はかなり楽しめる様に思います。
また、雑誌を飾るだけあり、意外に一般受けしそうな気もしました。
東京ステーションギャラリー
~7月1日



