プレス&特別内覧会に参加しました。


※写真撮影は内覧会で許可頂いております。

今回は、昭和の琳派と言えば、山下先生曰く一光さん、こと田中一光さんの作品がお迎えの作品の琳派展です。
以前、21世紀 琳派ポスターズ ギャラリートーク その2というイベントで山下先生や浅葉先生から、一光さんのお話はお聞きしました。

さて、生憎ここには一光さんの作品の写真はありませんが、名品が出品されてます。

その一つは
展覧会ポスターの右上
田中一光《JAPAN》1986年 東京国立近代美術館
その作品が今回の展示のトップになります。

鹿がモチーフの作品、となると、山種美術館ではやはりこちらですかね。

俵屋宗達(絵)・本阿弥光悦(書)《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》17世紀 山種美術館
鹿に書が寄り添うかのような調和がみせられています。

これの横にも鹿の作品がありました。それは先の田中一光さんのポスター作品のもとになってる、【国宝】《平家納経》願本 の模写である、
田中親美《平家納経 願本》(摸本) 20世紀 東京国立博物館
ポスターの左上の作品になりますが、
親美さんは厳島神社から原本を取り寄せ、摸本制作したとのですか、その最中に関東大震災が起き、抱きしめて守ったとのエピソードがあるそうです。
ちなみに、平家納経は江戸時代の修復の際に俵屋宗達が願本の見返しを描いたと伝わり、琳派と関係つけられてます。

続いて、山種美術館が誇る琳派作品が勢揃いです。
鹿つながり作品を取り上げたので、まず、動物が描かれてる作品からご紹介。

速水御舟《翠苔緑芝》1928年 山種美術館
久しぶりにくろねこさんやうさぎさんに会えました。
速水御舟が琳派作品に見られる構成法を意識して取り入れた作品です。

《翠苔緑芝》(部分)
枇杷、苔の緑があってのくろねこさん。

《翠苔緑芝》(部分)
うさぎさんの背中と脚に注目。
自由ですね~。

【重要美術品】酒井抱一《秋草鶉図》19世紀 山種美術館
こちらは、鶉さんですかね。
山種美術館の琳派展には無くてはならぬ作品かと思います。

酒井抱一《飛雪白鷺図》19世紀 山種美術館
この構図、上の白鷺が真下を向くように描かれてる所に目が行きました。それが抱一の作品らしい緊張感を生んでる様に感じました。

《飛雪白鷺図》(部分)
さて、この二羽の白鷺の目線は?

小林古径《夜鴨》1929年頃 山種美術館
月がほんのり見えます。

安田靫彦《うさぎ》1938年頃 山種美術館
「わあ、まん丸でぶっくりしてますね~」との参加されてた方の感想を聞きました。安田靫彦の他の作品とはちょっとイメージが違いますね。
俵屋宗達の作品に類似のうさぎがみられるようです。

奥村土牛 《啄木鳥》1947年 山種美術館
トリミングの仕方が絶妙ですね。そこが琳派の構成法らしい。
この作品、きりっと締まってて好きな構図です。

これまでは、動物万歳のような内容になってしまいましたが、それ以外の出品ももちろんございます。

月のみではなく、植物を重ねるというところが共通してるように思えました。

酒井抱一《月梅図》19世紀 山種美術館
梅と重なる月の描き方がとても印象的です。

酒井抱一《秋草図》19世紀 山種美術館
すすきと重なる月
下の葉っぱのたらしこみにも注目したいです。

菱田春草《月四題》1909-10年頃 山種美術館
月と草木の組み合わせ、四季なので春夏秋冬と四題。
江戸時代の先例を、春草の古画研究による作品です。満月は外隈、草木は没骨法と葉はたらし込みを思わせます。
《月四題》のうち「春」

《月四題》のうち「夏」

《月四題》のうち「秋」

《月四題》のうち「冬」

植物
やはり、草花木は欠かせません。

酒井抱一《菊小禽図》19世紀 山種美術館

伝 俵屋宗達《槙楓図》17世紀 山種美術館
今回の撮影可能な作品です。
修復後初公開です。


鈴木其一《牡丹図》1851年 山種美術館
琳派というか、中国絵画を模写した作品だと捉えた方が良いかもしれません。

酒井鶯蒲《紅白蓮・白藤・夕もみぢ図》19世紀 山種美術館
抱一のお弟子、後に養子となったが、34際で早世してしまいました。

鈴木其一《四季花鳥図》19世紀 山種美術館
基本的な技法は琳派ならでは、それに其一の個性も描写にうかがえる作品です。

《四季花鳥図》(部分) 向日葵は当時レアであったそうです。実はかの伊藤若冲も作品に取り入れており、恐らく其一作品を見ていたのでは、と言われているそうです。
鶏も目についたのでここのアップを撮影してみました。

山本春挙《春秋草花》(右) 1921-23年 山種美術館
《春秋草花》(左) 

安田靫彦《朝顔》1932-37年頃 山種美術館
葉っぱのたらしこみに注目しました。

奥村土牛《南瓜》1948年 山種美術館
初見です。

荒木十畝《四季花鳥》のうち冬 (山澗雪霽)1917年 山種美術館
琳派の技法がよく見られます。

《四季花鳥》のうち秋(林梢文綿)

さて、他には、これまで括れないジャンルの作品を挙げてみました。

風景画ですね。
西郷孤月《台湾風景》1912年 山種美術館

速水御舟《綿木》1913年 山種美術館
この背景の薄の葉がたらしこみで描かれてます。

安田靫彦(絵付)清水六兵衛[4代](作陶) 絵御本茶碗「雷神」20世紀 山種美術館
これを出品する機会がようやくあったと。

今回写真は掲載されてませんが、神坂雪佳、福田平八郎、加山又造らの作品もあり、アンカーとして田中一光作品が締めている感じでした。
琳派よ永遠に、と言葉を添えたくなりました。

山種美術館
~7月8日