展覧会に行って来ました。


戯画、と言えば鳥獣人物戯画、あまり使われてないようですが、この分類には浮世絵の滑稽なシリーズが含まれてるようです。

国芳の金魚づくしは現在9図が知られており、前期に全てが展示されると聞いて、見てきました。

全般的に、関西ならではの、お笑い要素の高い内容で、見てる最中にも突っ込みたくなるようでした。
特に、滑稽浪花名所の作者の一鶯斎芳梅の作品は、こける、落ちる等で、笑わずにいられません。そこ笑うという作品もあると、いえいえ笑いますよ、と。

これらも江戸時代が太平の世で平和であったことも背景の一つですね。

さて、見て行きましょう。

第一章 鳥羽絵
大阪を中心に人気になった笑いの絵画

鳥羽絵は、大阪で18世紀に流行したもの、軽妙な筆致で、笑いを呼ぶ画風で、登場人物は目が小さい、鼻低く、口が大きい。鳥羽とは、鳥獣人物戯画の作者と言われてる鳥羽僧正からとされてます。

『軽筆鳥羽車』 千葉市美術館

関東でも見てるのかもしれませんが、目立った扱いされていないのか、大家の作品に目が行って、印象に残ってないのか。
半分は、千葉市美術館の所蔵品が出てました。

第二章 耳鳥斎
独特のユーモアで一世を風靡した大阪の絵師

にちょうさい、と読みます。
やはり18世紀に大阪で活躍した絵師、略筆、軽いタッチで描き人気を得ました。
内容は結構グロいですが、笑いは呼べますね。
地獄図巻(部分)大阪歴史博物館
大根を口に入れられる役者
泥棒が見つかり
串に刺されて焼かれる魚屋
緩く描かれ、怖さよりも笑い狙いですね。
吊るされたりした人や、ばらされてしまった人などもあり、怖いけれど、ユーモラス溢れている

他には、鼠大黒之図
裃着たネズミが大黒さまと会話してたり、癒し系も多かったです。

第三章 北斎
驚異の才能で世界に名を馳せる画狂人

葛飾北斎 鳥羽絵集会 お稽古 ベルギー王立美術歴史博物館
鳥羽絵集会、なるシリーズがあるとは初耳。
また、ベルギーからの里帰り、これにより、国芳の金魚つくしはシリーズが揃うことになったとは思いもしませんでした。
これと、風流おどけ百句、謎かけ戯画集が展示されてました。
中には、何が可笑しいのと言うとものもありました。ここがもしや日本には作品が残らなかった理由なのかも。

むしろ、日本ではこちらか。
『北斎漫画』九編 浦上満氏蔵
かなり多い目に展示がありました。
昨年の、北斎とジャポニズムの時の北斎漫画とは明らかに解釈違いますね。これ関西と関東の違いなのかなあと思いました。

第四章 国芳
江戸の戯画の名手といえばこの人

猫や金魚を人のように描いて楽しげな世界を展開させた、あー、このノリなんだと、これも関東では取り上げ方異なりますね。

さて、今回この展覧会見たくなったのは、限定公開の、世界初、金魚づくしシリーズ全9点を一挙に見たい為でした。
これらもラスト前の一品のみ個人蔵で、他はベルギー王立美術歴史博物館よりの出品。

金魚づくし 
左 百ものがたり
右 酒のざしき
 ベルギー王立美術歴史博物館
猫が来て大慌て
宴会芸

左 さらいとんび 
右 玉や玉や
とんびが何か持って逃げて大騒ぎ、お店のメニューはぼうふらとかミジンコとか。
シャボン玉、水の中なのに。

左 きんぎよ尽 まとい
右 すさのおのみこと
お祭り~ではなく火消し、水の中なのに。
鰻を大蛇に例えるとは。

左 にはかあめんぼう
右 いかだのり 個人蔵
雨、あめんぼうが降るとは。
魚が陸上で何をするのやら。

きん魚づくし ぼんぼん
これが最近発見された九番目の金魚づくし。
お盆にかけている、手に団扇持って夏気分。

これ以外には、金魚と目高(メダカ)もありました。そう言えばメダカは珍しいです。

そして、これは第十番目かも、と国芳作品では無いが、写しかもと言われてる作品。
どこかに眠るか、このオリジナル?

他には国芳展で見かける作品が多数ありました。どれも笑い誘う作品がてんこ盛りです。
血しぶきやらは一切ありません。
ひたすら笑えるものばかりで、ここは大阪なんや、と改めて思い知りました。

第五章 滑稽名所
江戸、京都と大阪の名所絵なのに、ドタバタ劇、落とす、飛ばす、落ちる、転ける、もう吉本の世界。
そして、おしっ○しちゃうし、なんやねんと(笑)

一鶯斎芳梅 滑稽浪花名所 住吉 和泉市久保惣記念美術館
住吉大社の有名な太鼓橋、これ実際に歩いたけれどなまじこの絵がデフォルメだとも思えないです。

左 歌川広景 江戸名所道戯尽 二十二 御蔵前の雪 太田記念美術館
右 一鶯斎芳梅 滑稽都名所 清水寺 立命館大学アート・リサーチセンター

第六章 暁斎
関西でも暁斎?むしろそれより、国芳つながりで、弟子入りしたが2年で門下から去ったのですが、明らかに戯画的要素はそれから来てるのかなと見られてます。
伊蘇普物語之内 の挿し絵はあまり見たことなかったです。

最後は「布袋の蟬採り図」肉筆の水墨画なのですがシンプルで、蟬はよく見えました。

と、戯画の魅力を大阪らしく紹介されてて、
関東には巡回しないのは、このテイストからなのかなと。こうまとめてみて、改めてそれに気がつきました。


また面白い企画展、よろしくお願いいたします。


大阪市立美術館
【前期】4月17日(火)~5月13日(日)
【後期】5月15日(火)~6月10日(日)