よみがえる画家
板倉鼎・須美子展
早世の画家である事しか知りませんでした。
夫婦で画家で制作されてたのですね。
夫の鼎は東京美術学校で岡田三郎助等に指導受けた。
妻の須美子は文化学院で山田耕筰に師事、音楽学ぶ。
結婚し、ハワイ経由でパリへ。1927年から3年の滞在で、アカデミーでロジェ・ピシエールに師事し、サロン・ドートンヌ入選。鼎は同時代の洋画家とひけを取らない画風、須美子は鼎との共同制作ながら、素直な画風で好感持てました。

短過ぎる人生、とても残念、実に良い作品が多数ありました。鼎の須美子さんを描いた肖像画は、愛を感じました。


事前には、目黒区美術館での展覧会、目黒に縁のある画家なのかな、と思って伺いました。
また、夫の板倉鼎のみの展覧会なのか、とも。


どうやら、板倉鼎が交流のあった岡鹿之助や伊原宇三郎などの画家がこちらに所蔵作品が多くて、そんな画家の滞欧が所蔵のテーマとなっているとの事。

また、昨年千葉の松戸での展覧会をベースに、訪欧して滞在した画家に着目されてる目黒区美術館が万を期して開催する展覧会です。

写実から、だんだん画風が変化します。わずか30才でパリからの帰国前に亡くなるまでなのですが。
技法より、構図や色彩がとても優しく心地好く感じました。

《木影》
これは人物がメインなのですが、風景画作品は写実、少し印象派のイメージも。

また、このようなセザンヌのような静物をも多数残されております。

《静物》
特徴はこの白いテーブル、そしてカゴや陶器に盛られた果物、こう優しく、何かに守られてるように見えて来ました。

《金魚》
金魚はお好きだったのかも。よく見ると琳派作品の金魚のようにも見えて来ました。
また背景の空。


パリへ向かう途中にハワイを経由し、3ヶ月滞在、その時の思い出を須美子さんは描いた

全て、板倉鼎/須美子 の作品
《午後、ベル・ホノルル12》

《松の屋敷》

《ベル・ホノルル24》
やはりサロン・ドートンヌに入選、
時流に合っていたのでしょうか。


また、鼎の作品は
一貫して、須美子さんの肖像画が多いです。
写実から、このような画風
《赤衣の女》
藤田嗣治、初期のピカソ、色々な有名画家の名前が頭に浮かんで来ました。

鼎も須美子さんはイケメンと美人、美人薄命を地でゆくようですが、非常に残念です。







いそうでいない画家夫婦、そんな作品を是非見られる事オススメします。

日本の洋画好きな方には尚更と。

目黒区美術館
~6月4日