個人コレクター、日本化薬株式会社 元会長 原安三郎の浮世絵コレクション
この会社は名の通り化薬メーカーだが、軍事用には提供はせずにいたとのことです。志高くて素敵です。

このコレクションも横浜の宣教師から譲り受けたとか。




まず「鳴門の風波」
その色の鮮やかさが目映い位。
鳴門は、奥村土牛を思い出すよう。
こちらは荒々しい。
浮世絵、版画としてここまで出来るのかと。
これを、江戸時代の人々は見てたのか。もっと鮮やかさだったのかな


第1章  
初公開  歌川広重  〈六十余州名所図会〉
この揃い物(シリーズみたくなるものこと)は初めて見る気がするなあ。
日本全国を名所の浮世絵。江戸を加えて69なんだとか
それらが表紙入れて70点!
お見事。
どれも心憎いまでのチョイス
全て歩かれたのかは不明、基になる資料もあったような。
ぼかし、板ぼかし、ぼんやりかすむような部分ね。それと木目のようなぼかし

私のイイね!は
和泉 高師のはま
上総  矢さしか浦 通名九十九里  九十九里の名前の由縁
若狭  漁船 鯛網  ヒラメや蟹がいます。
石見  高津山  汐浜  ぼかし
隠岐  焚火の社  船乗りのアップ
播磨  舞子の浜  松が巧みに並ぶ
伊予  西條  ホイッスラーも真似た
肥前  長崎  稲佐山
肥後 五かの庄  落武者伝説





ここで、4階はおしまい
下に降りると第4章が
あらら、見て行くと国芳が(笑)
これはねー、と踊り場を過ぎて、三階の部屋へ

第2章
最晩年の傑作  歌川広重  〈名所江戸百景〉
やはり、広重続けてみたいなと、ここは皆さん馴染みがあるのか、列ができてました。

120点を前後期半分づつ、一部はどちらも出るような。
こちらは広重と言えば必ずや展示されるというものですが、鮮やかさでは初めて見るような気分に。
実際に始めてみるものも多々あり。
イイね!チエックもせずに反対側から見て行きました。

鴻の台とね川風景   三人旅人
堀江ねこざね  鳥たち
南品川鮫洲海岸  弧を描く海岸
はねたのわたし弁天の社  船頭の足のすね

ラストの辺りの作品が良いかなと。
どれも凝った構図でした。

そして、



亀戸天神境内
橋の下から見える空と池の色が同じです。
間違えか、わざとか。
また橋の色が、夕焼けか朝焼けの空の色と同じであることもポストカード購入し気がついた。

これだけ並ぶと爽快です。

で再び踊り場へ

第4章
名所絵の名品ー葛飾北斎、歌川国芳とともに
北斎は富嶽三十六景、諸国名橋奇覧、諸国瀧廻り
国芳は東都名所など
広重は東海道五拾三次、雪月花、肉筆の十二ヶ月風俗図など、やはり肉筆も良いね




第3章
幻のシリーズ  葛飾北斎 〈千絵の海〉
へえー、こんなのあるのか、海や川を描いた中判、北斎が描いたらこうなるのか、あ、面白く細かくなるのかな、





ここにあげたものの特に第2章は後期入れ替わるので、見られないかも。
ほぼ初摺り、中にはそうでないものもありますが、ぼかし具合や色の濃さや輪郭線の細やかさの堪能下さいませ。





サントリー美術館
前期~5月23日
名所江戸百景は殆ど入れ替わり
後期5月25日~6月12日