年に数回ではあるが、MCのお仕事を頂く。
企業さんの式典だったり、マラソン大会や運動会だったり、近年だとオンラインイベントだったり。一言でMCと言っても、それぞれの役割が全然違うから面白い。

原稿通りに澱みなく間違いなく進行をするのが求められる場合もあれば(苦手)、進行しつつも参加される皆さんと一緒に盛り上がったり、時にいじったりいじられたり、というアドリブが必要な場合もある(好き)。

最近ではオンラインイベントも実施され、操作方法やルール説明がやや複雑だったり、参加者の表情やテンションを確認できなかったりすることもあるので、MCとしての難しさを感じることもある。

そして先日、本当に久しぶりに、オフラインつまり対面での、リアルの、ダイレクトなイベントのMCをさせて頂いた。

よく考えてみると、マスクを付けたままでのMCは初めてだった。マイクはあるにせよ、聞き取りづらさは多少感じたので、いつもよりもハッキリ話すことを意識した。


相棒MCの吉村氏

 

吉村さんはええ声の持ち主で、お客さんイジリに熱量を燃やというSっ気があって(面白い)、もちろん進行もパーフェクトな、勉強させてもらえるMCさんで頼りにしまくってる。

相方がいるときは、二人とも同じ役割だと意味がないので、お互いをフォローし合ったり、補い合ったりして、言葉通り「いい感じ」に、そして「阿吽の呼吸」で進めていくよう、わたしなりに意識している。

参加者の皆さんとの掛け合いも、ひとつひとつが勝負である。
不快にさせてはいけないけれど、ある程度のイジリがないと、盛り上がりに欠ける部分がある。その絶妙なさじ加減を、針の穴に糸を通すような繊細さで感じなければいけない。
いわゆる”おいしい”キャラクターを見つけて、最大限その方の持つ個性を花開かせるような、ある意味賭けに近い瞬時の判断も必要となってくる。
大げさに言うと、生きるか死ぬか、柔らかく言うと、好かれるか嫌われるか、みたいな緊迫感も持ち合わせている。

常に反省と改善を繰り返し、タイムスケジュールも考えながら、スタッフさんと連携を取りながら、心地よい進度で運ばなくてはならない。

プラス、よく言う「繋ぎ」の時間も出てくる。次の進行の準備のために、時間をかせぐという作業である。MC同士の会話でつなぐこともあるし、参加者や代表者の方に振るというやり方もある。対戦型のイベントをしていれば、改めてルール説明をしたり、得点状況を確認することもある。

どんな風にやってもいいからこそ、正解がないからこそ、力量や個性が見られる場面でもある。

だからこそ、2~3時間、気が抜けない。だけどものすごく充実した時間である。

終わった後に、イベントを企画した方や、参加者の方に「楽しかったです!」「ありがとうございました!」などの言葉を頂けた暁には、心底ホッとするし、めちゃくちゃ嬉しい。

今回もわざわざ足を止めて声を掛けて下さった方がいて、本当に嬉しかった。


スタッフの皆さんと
 

そして何より。イベントの運営をして下さる皆さんあってのわたしたち。
進行が滞りなく進むよう、常に気を配って下さる皆さんがいるからこそ、ステージに集中して、MCをやらせてもらえる。本当に感謝。

色々書いたけれど、本当はほとんどフィーリングでやっている(笑)。もちろんこれまでの経験によるところが多いけれど、まだまだだなぁといつも感じる。尊い現場だから、これからも機会がある限り立たせて頂きたいし、もっと磨いていきたいと、そう思う。