タイトルが小説みたいだけど、これは事実の話。

渋谷の改札付近で、ナプキンがひとつ、落ちていた。

あっ。

と思ったけど、拾って届けるわけにもいかず、わざわざゴミ箱に入れることもできず、人の流れに押されて、そのまま見過ごした。見過ごしながら、あるニュースを思い出した。

 

 

「生理の貧困」という問題。

その言葉を聞くまでは、生理=貧困なんて考えもしなかったし、実感したこともなかった。それはきっと恵まれていたからだ。

しかし、記事のように毎月買う生理用品だけでなく、生理痛の薬や専用ショーツなども含めたら出費はかさむ。万が一、パンツやズボンが経血で汚れたら取れないこともあるので、新しいものを買う必要だってある。あと外出先で急になって、家にたくさんあるのに持ち合わせてなくて、仕方なくコンビニで割高なのを買うことも結構ある(ドラッグストアでお得なものを買いだめしてる)。

あんまり考えたことがなかったけど、結構払ってるじゃん!

わたしは毎回生理痛があるけれど、薬を飲めば治まるレベルなので、病院にかかったことはない。だが友人は病院に搬送されるくらいヒドイ生理痛を持っていて、そのために病院に通い、ピルを飲んでいる。仕事を休まざるを得ないくらいツラい生理痛の人もいる。それらの場合においての手当はない。正社員なら有休を取ることが出来るかもしれないが、非正規雇用の人たちは純粋に給与が減ってしまう。

生理とは体調不良とは違う。基本的には毎月必ずやってくるものだし、風邪と違っていくら予防したって止めることも減らすこともできないのである。生理痛はピンキリで全然平気な人もいるだろうけど、ナプキンの不快感やタンポンを入れる苦労は全員共通して持っているものだと思う。

やっぱ月イチの生理休暇をつくるべきかー。

企業は有休とは別に、月に1日「休める日」を制定したらどうだろうか。生理休暇で使ってもよし、気持ちが乗らない休暇で使ってもよし、頭痛や肩こり休暇でもよし。男性も使っていいことにして。

そうなると非正規の人の状況は変わらないから、他の手当を考えなくてはいけないな。

コロナになって、マスクや消毒アルコールを使う際、肌が敏感な人がいて、オーガニックなどの天然のもの(つまり高級)を付けないとかぶれてしまうという話を聞いた。それは生理用品も然り。

そういう方々はなおのこと、そしてわたしたちも、現状必ず使うことが義務付けられているものにも関わらず、何の補償も手当もないわけだ。わたしは普通のものでも問題ない側の人間だが、これは確かにどうだろう?と思ってしまう。

落ちたナプキンを見て、そんなことまで考えてしまった。

そして一番気になるのは、落とした人、大丈夫かな。ってこと。